1977年創業、家族できりもりする古き良き大衆酒場。入り口には大きな文字で「大衆酒場」と書かれた濃紺ののれん、ビールメーカーの名前を掲げたちょうちんと昭和の居酒屋スタイルを今に残す。
「この辺りは造船業で栄えた地域。造船所や下請け工場や倉庫で働く人もたくさんいて、体力を使って疲れ果てた仕事終わりに一杯と立ち寄ってくれる場所でした」と若女将(おかみ)は話す。
「安い、うまい」をモットーに、1皿200〜500円程度と、リーズナブルな価格帯を長年キープしている。 さらに、若竹煮(250円、以下全て税込み)やポテトサラダ(250円)など創業時からの人気メニューをはじめ、串カツや握り寿司、揚げ物や煮物……とメニュー数は200種類以上におよぶ。
「常連さんからのニーズに応えていたらいつのまにか増えていった結果」という、カウンター奥の壁に掲げられた黒板3枚に隙間なく書き連ねたメニュー表も壮観だ。豊富なメニューを展開しながらも、店内仕込みの手作りにこだわり、いずれの料理にも妥協がないことも長年愛される秘訣(ひけつ)といえよう。
近年は家族2世代、3世代で訪れる常連客も多く、昭和レトロが好きな若いカップルの来客も増えたとか。かつてはいわゆる「おじさんが集う大衆酒場」だったが、メニューの豊富さと、大将家族によるアットホームな接客も相まって、より開かれた店になっているのだろう。