フーディーたちを観音裏に向かわせているのが、2017年4月にオープンしたビストロのペタンクだ。オーナーシェフは、銀座のワインバーグレープ・ガンボ(閉店)、ワインショップ&ダイナーフジマル浅草橋店などでシェフを務めた山田武志。カウンター8席のマイクロビストロという、客とダイレクトにコミュニケーションができるスタイルを選んだ。ペタンクを訪れる誘い文句は、「うまいチューリップ唐揚げとウフマヨの店に行こう」で決まりだ。おそらく30代以上の舌にはノスタルジックであろうチューリップ唐揚げと、正統派フランス料理のシンプルなウフマヨは、ほとんどの客がオーダーするという。
山田がペタンクで軸とするのは、やはりワイン。扱うのはヴァンナチュール(自然派ワイン)で、特にオーストラリア産を豊富に揃える。店内に掲げられている「ワインはジャケ買い」という言葉の通り、ウンチクよりも直感で惹かれたエチケット(ラベル)で選ぶことをすすめている。グラスワインは一律900円。ボトルの値段に応じて注ぐ量を調整しており、値段を気にすることなくワインを選べる。2人でカウンターに並んでじっくり飲むのもいいし、1人でぱぱっと食べて飲んで帰るなんて通な使い方もいい。予約必須だが、開店直後と21時以降は比較的空いており、地元の人はそこを狙っていくそうだ。