高田馬場のとん太は、東京屈指のとんかつの名店として知られているが、店の佇(たたず)まいは実に奥ゆかしい。とんかつ自体も、ほかの人気店のように肉が分厚いわけでも、レアで揚げているわけでもなく派手さはない。それでも上質な豚肉と軽い食感の衣、絶妙な揚げ具合など、基本をしっかりと押さえた王道の魅力に多くのファンが虜になり、開店前から店の前には老若男女が列を作っている。とんかつはシンプルながら、食べ方は自由。注文すると程なくテーブルにはゴマが入ったすり鉢が運ばれ、カウンターにもソースのほか、2種類の塩に黒コショウなど調味料の容器が並ぶ。客に食べ方の選択肢をこれだけ与えるのも味への絶対的な自信ゆえなのかもしれない。ロースは、弾力がありながら歯切れが良く、さらりと溶ける脂とのコントラストをしっかりと感じさせる。ヒレはカットこそ大きくないものの、しっとりとした仕上がりで、しっかり満足させられるだろう。
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