世田谷文学館

  • ミュージアム
  • 芦花公園
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タイムアウトレビュー

世田谷固有の文学風土を継承するため、1995年に開設された地域総合文学館。2階の企画室では、これまで向田邦子、長谷川町子、植草甚一、岡崎京子といった作家や漫画家などの企画展を開催してきた。世田谷に由縁のある文化人を取り上げることも多い。

1階の蔵書コーナーには、絵本を豊富に扱う子ども向けのエリアと過去の企画展に関連する書籍を陳列した『ほんとわ』を設置。『暮らしの手帖』や『BRUTUS』のバックナンバーを読むことができ、戦後のサブカルチャーについて学ぶ絶好のスポットとなっている。

そのほか、展示に関連する商品やオリジナルグッズなどが並ぶミュージアムショップ、中庭を眺めながらくつろげる、喫茶どんぐりにも足を運びたい。ロビーではWi-Fiが利用できる。

詳細

住所
東京都世田谷区南烏山1-10-10
Tokyo
アクセス
京王線『芦花公園』駅(南口)徒歩5分
営業時間
10〜18時(入館は閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)

開催中

寺山修司展

「世田谷文学館」で、時代を超えて愛され続ける寺山修司(1935~1983年)の展示が開催。生誕90年に当たり、これまで収蔵してきた関連コレクションを一堂に展示する。 30歳を前後する新婚間もない寺山は、自宅向かいのマンションに家出した少年少女を劇団員として受け入れ、共同生活を始めた。会場では、その演劇実験室「天井棧敷」の誕生を約100点の関連資料を通じて紹介する。また、筋金入りの手紙魔と称される寺山の20代前半期の自筆書簡を展示し、その人物像に迫る。 現在も、戯曲の再演や映画上映などを通じて、若い世代を含めたファンが増え続けている寺山。唯一無二の寺山ワールドを堪能してほしい。 ※10〜18時(入館とミュージアムショップは閉館の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)、3月10〜18日/料金は200円、学生150円、65歳以上・小・中学生100円

漫画家・森薫と入江亜季 展 ―ペン先が描く緻密なる世界―

漫画家の森薫と入江亜季は同時期にデビューし、『コミックビーム』『ハルタ』『青騎士』と同じ雑誌で連載を重ね、ともに成長してきた。アナログの手描きにこだわり続けるという共通点もあり、繊細な線で描かれるキャラクターやダイナミックさと精緻さを持ち合わせた背景など、力強く観るものの心に残る作品世界を創り上げてきた二人だ。 同展では、原画とともに、同人誌時代の作品やイラストレーション作品、机周りや創作メモ、取材の様子など執筆の現場も紹介。物語の世界はもちろん、一枚の原稿が生まれる道程まで紹介する。 森薫の代表作といえば、ビクトリア時代の身分を越えた恋物語を描いた『エマ』、細部まで描きこまれた中央アジアの風物と美しい花嫁たちが登場する『乙嫁語り』が挙げられる。いずれも異様なまでの描き込みと小道具や紋様一つに対してまで妥協を許さない情熱によって、まるでその場にいるかのように錯覚させる情景描写と、当時の時代背景を巧みに取り込んだ王道のロマンス展開で多くのファンを虜にしてきた。 入江亜季の少女漫画的なタッチと端正なコマ割りによる「レトロモダンファンタジー」とでもいうべき世界観は、デビュー作である短編集『群青学舎』(2006年から連載)から確立しており、メルヘンから現代恋愛劇まで、独自の切り口とタッチで青春期の人々を描き、『乱と灰色の世界』、『北北西に曇と往け』と異なる世界観でファンを増やし、魅了し続けてきた。美しい線画と華麗なコマ割りやセリフが織りなす綾は必見だ。 ※10~18時(ミュージアムショップは17時30分まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)、2024年12月29日~2025年1月3日/入場料は1,000円、65歳以上・大学・高校生600円、小・中学生300円
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