大阪の食文化の基礎を支える「昆布」。その中でも最高級品とされる北海道道南地区で採れる「真昆布」を取り扱う、空堀商店街の老舗昆布店「こんぶ土居」が、2022年に昆布をテーマにした「大阪昆布ミュージアム」を、店のすぐ近くに築き上げた。
1階で見られるのは、北海道・道南の「昆布漁」で使われていた漁具などの展示や、漁業の様子を収めたパネルの数々。不作が続く「天然真昆布」の窮状を知ることができ、また大阪の食文化を今一度見つめ直すことができる。床にある「長い昆布」の展示も必見だ。
同フロアのパネル展示では、普段見られない昆布を干している様子や、海中での昆布の姿などが見られ、馴染みのある昆布の普段とは違う姿に感動すら覚える。
ほかにも江戸時代の北前船の航路の話、なぜ大阪で昆布が使われるようになったのかなど、大阪と昆布の関係性も学べる。
2階では、今では希少価値が極めて高くなった天然真昆布をはじめ、北海道のさまざまな地域で採られた天然もの、養殖ものの昆布が採集年度と地域によって分けられ保管されている。
そして、最上階である4階では「だしの取り方ワークショップ」などが開かれる。これまでは店舗で行われてきたが、今後は大阪昆布ミュージアムで開催されていくそうだ。
開館は不定期なので、電話やメールで確認をしてからが望ましい。帰りにはこんぶ土居を訪れ、大阪土産をしっかりと手に入れて、締めくくりたい。