伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸を館長に2012年、開館。同記念館では、歴史や楽器などの紹介を通じて、河内音頭の普及に努めている。
河内の中心といわれる八尾市では、夏場、多くの場所で櫓(やぐら)が立ち、盆踊りとともに河内音頭が披露される。そのルーツは1600年代ごろまでさかのぼり、仏供養のために歌われ出したのがきっかけだそう。その後、時代とともに変遷を遂げ、大正時代に初音家太三郎がさらに改良を重ね、現在につながる節回しやお囃子が誕生した。
一曲のことを「一席」と呼称し、一席は前口上から枕、本題、結び口上と続くというルールはあるものの、現代の河内音頭はかなり自由で、間に演歌が入ってきたりということもあるそうだ。
展示品は館長が使用した着物、楽器。不定期だが館長の所蔵品(展示物/解説は直筆)は入れ替わるほか、CDやテープの販売も行う。展示を眺めるのもいいが、口伝で継承されている河内音頭だけに、スタッフから話を聞くのが何より楽しい。どんどん質問してみてほしい。歴史もそうだが、その面白さについても優しく教えてもらえる。
また、館長のつながりからゲストを迎える「河内音頭セミナー」も開催しており、配信にも積極的である。年末年始のほか、展示入れ替え日は休館になるので、訪れる際は事前に公式ウェブサイトを確認しよう。