山下公園の真向かいに位置する、1927年に開業した横浜唯一のクラシックホテル。時の佇まいを今に残す本館は、1992年に横浜市認定歴史的建造物に指定されており、大階段や2階ロビーは建築の美しさを物語る。
関東大震災の復興のシンボルとして横浜市と民間の共同で建設された。のちに「銀座和光」「東京国立博物館」を手がけた建築家の渡辺仁が設計に当たった。本館の外観は重厚さと曲線が織り成す気品あるたたずまい。2階ロビーへ続くのは、マッカーサーやチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースをはじめ、数々著名人が上がった大階段だ。横浜の海を思わせる青いじゅうたんと東洋の装飾の調和が見事である。
2007年には経済産業省の近代化産業遺産に認定され、これまでさまざまな著名人をもてなしてきた。洋食の定番である「スパゲッティナポリタン」や「プリン・ア・ラ・モード」「シーフードドリア」の発祥としても名を馳せる。受け継がれる伝統に身を委ね、ノスタルジックなひとときを過ごしたい。