創業1916年(大正5年)、瓦屋根の堂々たる千鳥破風が出迎えてくれる帝国湯は、ディープな銭湯文化が育まれてきた東東京を代表する一軒。
建物は宮造りの銭湯の中でも特に凝った造りになっており、吹き抜けの天井は曲面で持ち上げる折り上げ式で、雲肘木が施されている。
男湯と女湯にまたがる大きなペンキ絵は2009年に他界したペンキ絵師、早川利光によるもので、彼の描く銭湯富士を見ることができる貴重なスポットとなっている。通常は2〜3年に一度塗り替えられるペンキ絵だが、帝国湯では絵を残すべく、保護剤などで表面を労りながらその姿を維持している。名人と呼ばれた早川の持ち味であるダイナミックな波しぶきと雄大な富士山を堪能してほしい。
旅館のような雰囲気の箱庭にはコイの泳ぐ池があり、脱衣所の大きな本棚には囲碁盤や将棋盤も置いてあるなど、湯上がり後の楽しみもいっぱいだ。
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