東久留米市柳窪にある1980年創業の靴工房。2016年にリニューアルオープンし、糖尿病などで変異した足を支える医療用靴や下肢装具のほか、オーダメードインソールの製作・販売を行っている。
長年の間に培われた製作技術の腕前はもちろん、一般的にデザイン性が軽視されがちな医療靴を、客の希望に合わせて美しくデザインしてくれると評判だ。
現代表を務めるのは、自身も幼少のころ靴型装具を身に着けていたという中井要介。医療靴先進国であるドイツで9年間修業し、ドイツの職人最高職位であるドイツ整形外科靴マイスターを取得した。商品のデザインこだわる理由を、中井はこう語る。
「医療用靴だからといってデザイン性が低いと、職場で目立つ、フォーマルな場所で履きづらいなど、履く人の出かける意欲すら削いでしまうことがあります。好きな靴を買えないからと買い替え頻度が減れば、足にも良くありません。
正しく足を支えられる装具であることは大前提ですが、お客様と相談しながら、可能な限り希望に沿ったデザインの靴を製作したいと考えています」
足の状態にもよるが、履きたいデザインの靴や、パンプスのようにすることもでき、おしゃれに敏感な学生や、働く女性などにも喜ばれているという。多様なデザインは、工房で取り扱う材料の豊富さもさることながら、職人の技術力があってこそのたまものだ。
靴型装具の注文は13万ほどからだが、病院の診断を受ければ保険の適用も可能。本店まで足を運ばなくても、都内各所にある提携病院で診断、受け渡しができる。2019年7月29日(月)からは下北沢病院とも提携し、月曜と毎月第1、第3、第5水曜には中井が常駐する予定だ。
足に不調があったとしても、足を支えながら、履く楽しさも得られる靴であれば、出かける際の気持ちも軽いかもしれない。