西麻布交差点近くの路地裏にある、小さなラム酒と喫茶の店。オーナーの多東千惠は『日本ラム協会』に所属しており、ラムの品揃えと造詣の深さには定評がある。マルティニーク諸島やパナマなど、カリブのラム生産地を訪れ、直接生産者を訪ねることも多いという。「ラムを少しでも身近に感じてほしい」との一心で、初心者には分かりやすく、ラム愛好家にはマニアックに、飲み手に合わせてラムの世界を広げてくれる。好みの味わいや香り、予算を伝えておすすめを訊けば、今まで知らなかったラムに出会えるはず。また、オーナーが料理好きでもあるため、ラムと合わせて楽しみたい料理もいろいろ。したたか酔った後には、世界でもっとも辛いといわれる唐辛子、ジョロキアを効かせたカレー『ジョロキアコロンボ』がおすすめだ。痺れる辛さの後に、コリアンダーをはじめとするスパイスの香りがふわりと抜ける。真空管アンプから流れるカリビアンサウンドをバックに、生産者や島ごとに味と香りがおもしろいほど異なるラムを味わう。ゆっくり夜を過ごしたい人にはぴったりの店だ。
関連記事
『東京、ミント&ライムカクテル15選』