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隔離がどのような影響を及ぼすかを身近に感じることができている今、アメリカ航空宇宙局(NASA)が興味深い求人を始めた。募集中の人材は、「モスクワで少人数の乗組員と一緒に8カ月暮らすこと」を喜んで希望する「意欲的なアメリカ市民」だ。
採用された人が参加するのは、隔離や閉じ込められることが人間に及ぼす生理学的、心理学的影響を解明するシミュレーション。NASAが月や火星へのミッションの準備として行っている研究だ。隔離生活を経験してきたのだから、すでに資格があるのではないかと思ってしまう。
当然だがハードルは高い。求められる要件は次の通りだ。
・年齢は30歳から55歳まで
・ロシア語と英語を流暢(りゅうちょう)に話すことができる。
・修士号、博士号、医学博士号またはアメリカ軍の校訓練課程修了証を有している。
もし学士号しか持っていなくても絶望する必要はない。他の一定資格(当該分野における専門的経験を含む)があれば候補者になれる。
実際に採用されると、本物のクルーが宇宙で耐えているのと同じような状況での生活を行うことになる。NASA公式サイトの求人募集ページには、「少人数の多国籍クルーが孤立状態で暮らし 、月ミッションの多くの任務の中で、科学的な研究、バーチャルリアリテイの利用、ロボット操作などを行う。このプロジェクトは、参加者が模擬宇宙ミッションを成功させるため活動を行う中で、隔離と閉じ込められることの影響を研究するために行われる」と書かれている。また同ページでは、2019年に行われた4カ月間の研究が、今プロジェクトの基礎となったことついても触れられている。
言うまでもなく、選ばれた候補者は、新型コロナウイルスの症状があるかどうかにかかわらず、研究開始前の2週間の隔離が求められる。長い研究期間に比べたら2週間の隔離はなんてことはないだろう。
NASAは、研究対象となる「乗組員」のメンバー数や、候補者に支払われる金額については明らかにしていない。分かっているのは、従業員または請負業者だったことがある、いずれでもないといった、候補者とNASAとの関係で報酬が決まるということだけだ。
この仕事はここ数カ月で聞いた中で最もクールなものの一つだと言えるのではないだろうか。詳細については、このページで確認を。幸運を祈る。
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