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2018年、ついに初開催された『MR GAY WORLD』の日本大会。4月1日には、1次審査、2次審査を勝ち抜いた5人のファイナリストによる、日本代表選考会をメインとしたデイタイムパーティーが、明治神宮前駅近くのイベントスペースにて開催された。ここでは、アーティストのパフォーマンスなども含めながら、終始賑やかに進んでいった同パーティーをレポートする。
『MR GAY WORLD』とは、毎年、様々な国の代表者が集まり、LGBTの人々の権利を訴えるロールモデルにふさわしい人物を選出する世界最大のゲイコンテストだ。審査基準は、外見の美しさだけでなく、人柄や個性、リーダーシップの有無にも重きが置かれる。10回目となる2018年の世界大会は、南アフリカで開催。日本代表選考会でグランプリになると、5月21日(月)から27日(日)にかけての世界大会に出場することができる。
日本代表選考会で審査員を務めたのは、YouTubeでLGBTQについての動画配信を行っている「かずえちゃん」、ドラァグクイーンのテマンダ、女優で一般社団法人Get in touch代表の東ちづる、ジャーナリストやタレントとして活動するモーリー・ロバートソン、LGBTコミュニティが日本のメディアでポジティブに扱われるよう活動をしているLGBT Media Groupの5人。当日は、アンダーウェアとスピーチ審査を行い、審査員と来場者の投票で日本代表が決められた。
アンダーウェア審査もさることながら、印象的だったのはスピーチ審査だ。「来年、彼との結婚を控えているが、友人や家族の前で愛を誓うことは特別だろうか」と訴えかけた者や、オス同士で子育てをする鷹や、メスからオスに変わる魚もいるという話を例に挙げながら、「生物学では男女の違いはさほど重要ではない」と語った者。内容は様々だったが、全登壇者から、それぞれが持つ強い思いと、ピュアで誠実な人柄を見ることができた。
イベントも終盤になり、いよいよ結果発表の時間に。1回目となる『MR GAY JAPAN』のグランプリに輝いたのは、現在日本の学校で教師をしているSHOGOだ。スピーチ審査では、「性病に特化した性教育に力を入れ、若い世代から日本のLGBT社会への理解を深める活動を行いたい」と語っていた。
受賞直後に今の想いを聞かれると「感無量という言葉が、今の僕の状態を表現していると思います。世界に向けて心も体も絞り、『MR GAY WORLD』に向かいます」と話していた。SHOGOは、オフィシャルのInstagramで、もっとも多くの「いいね!」 を獲得した人物に贈られるソーシャルメディア賞も受賞。そのほか、3位には「HIVに感染している子供たちへの支援活動を多くの人に知ってもらい、協力してもらえるように働きかけたい」と話していたSILVER、2位には、スピーチ審査の部分でも紹介した、彼との結婚について話したTSUBASAが選ばれた。
イベント終了後、初の日本代表となったSHOGOに今後の意気込みを聞くと、「今日、スピーチの途中で言葉に詰まってしまった時、みんなが『頑張れ、頑張れ』と言ってくれた。これからは、生の声とともに、LGBTってこんなに温かいんだよということも世界に伝えていきたい。今から活動したくて、うずうずしている」と、興奮冷めやらぬ様子で語った。
誰かが発言やパフォーマンスをした後には、必ず大きな拍手と歓声が送られ、SHOGOが話していたように、ピースフルで温かな空間だった『MR GAY JAPAN』。2018年5月5日(土)、6日(日)には、『Tokyo Rainbow Pride』も行われるが、この温かさが、より多くの人に届くことを願いたい。