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観光客に人気、カカシが暮らす不思議な村

Youka Nagase
テキスト:
Youka Nagase
Former editorial assistant at Time Out Tokyo
Nagoro Scarecrow Village
Photo: Tei/PhotoAC
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自由に旅行することができた日々を恋しく思うかもしれないが、家にいても世界を旅することは可能だ。日本の主要観光地を訪れたことがあり、もっと珍しい場所を探しているのであれば、徳島県の山奥にあるこのちょっと奇妙な村をGoogleマップで訪れてみよう。名頃(なごろ)集落は「かかし村」とも呼ばれる小さな村。350体以上のカカシが村のあちこちに置かれており、まるで住民と同居しているようだ。一方、実際に村に住んでいる住人は30人未満という限界集落でもある。

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#20200213 在姬路的稻草人村 這邊其實蠻受日本人歡迎的 看到旅人留言小冊子上幾乎天天都有訪客 在這個幾乎沒什麼人居住的小村子 沿著主要馬路一條直直往上 沿路會有很多很多的「稻草人」 村內多達130個稻草人,還有一些稻草人會「出差」到日本各地 而在外地看到稻草人的人們可能會因此想來此地朝聖 - 雖說是稻草人,但適用報紙、鐵線、布、衣物製作而成的 在村子裡各個角落,有點像尋寶的感覺 一邊逛一邊發現不同的角色 - #funjapantravel #fun_himeji #funjapan #funjapantaiwan #wendy2020japan#當我在旅行的路上 #姬路 #himeji #姫路#姫路観光 #奧播磨稻草人村 #かかしの里 #かかし#奥播磨 #奥播磨かかしの里

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Googleマップの360度ストリートビュー機能を使って村をバーチャル散策すると、この奇妙な光景を自分の目で確かめることができる。古びた古着に身を包んだボロボロなものとは違い、名頃村のカカシは村の住民、月見綾乃の手により丁寧に作られている。一見リアルでびっくりするが、どの人形の表情も温かい。人形にはそれぞれの目的があり、役割に応じた衣装が用意されている。座っている人形や仕事をする人形、オリンピックで競い合うグループなど、年齢や職業を問わない、さまざまなカカシに出くわすことができる。

ドイツの映画監督フリッツ・シューマンは、2014年にこのかかし村のショートドキュメンタリーフィルムを制作した。『人形の谷』と名付けられた本作では、月見自身がインタビューに答えている。「父親に似せて作った」というのが記念すべき一体目のカカシ。もともと畑の種を食べている鳥を寄せ付けないように作ったのがきっかけだったという。その後、住民が自分たちのためにも作ってくれと頼みに来るようになり、いつの間にか彼女の作品が小さな村を埋め尽くすようになったのだ。

名頃村の過疎化が進んでいることもまた、悲しい現実である。しかし、今では彼女の作品を見に地元の人々だけでなく遠くから来る人も増えており、観光客から注目されている。 

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