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菅政権は「脱炭素社会の実現」を最も重要な政策に位置付けた。前政権ではクローズアップされていなかったことだ。
そんな動きと呼応するように、2020年10月25日、品川の八芳園で「日本みどりのプロジェクト」設立総会と記念シンポジウムが開催された。このプロジェクトは脱炭素化や循環型社会の実現に向け、長野、高知、三重、鳥取の各県と大阪観光局、長野県観光機構を中心に政府、民間団体、企業、大学など産官学オールジャパンが連携して自然資源を軸にした事業創出の促進や、世界に向けた情報発信を行っていくというもの。
同プロジェクトは、2025年の「大阪・関西万博」で日本を代表する自然景観の紹介や、先進的な環境技術をアピールする「日本の自然のショーケース」実現など、五つの具体的なプロジェクトを提案。中でも注目は、自然と共生する新たなライフスタイルに適した観光モデル「Go Greenプロジェクト」と、日本にある34の国立、国定公園を保護しつつ、持続可能な観光資源としてワーケーションなどへの利活用を進める「National Parkプロジェクト」だ。
「Go Greenプロジェクト」の例として高知県では、六つの隈研吾デザインの建築がある梼原町を巡るツアーや、雲上の絶景を望める天狗高原にある町営宿泊施設のリニューアル(2021年6月オープン)などを実施。長野県は、都市部の中学、高校生向けに森林や里山での植林や森林セラピー、模擬ハンター体験ができる「みどりの学習旅行」を日本旅行などと協力してプロモーションしていく。
アンバサダーには市川海老蔵、渡辺謙、隈研吾などが就任。トークセッションでは、市川海老蔵が、竹節義孝(長野県山ノ内町長)、溝畑宏とともに長野県、志賀高原の植樹活動「ABMORI」を紹介しながら、森林再生活動の大切さや都市と地方が連携して行う植樹、都市緑化の推進などについて意見を交わした。
グリーン化はSDGs(持続可能な開発目標)ともつながる世界全体で取り組むテーマなだけに、今後も同プロジェクトの取り組みに注目していきたい。
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