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街中でドット絵を探索するShibuya Pixel Art Graffitiをレポート

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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テキスト:高岡謙太郎
写真:中村悠希

ディスプレー内で表現されていたピクセルアート作品を路上に展示する『Shibuya Pixel Art Graffiti』が、6月1日(土)から6月30日(日)まで開催中だ。期間中は、渋谷駅周辺の各所に展示されている作品に、宝探し感覚で触れることができる。

PixelEyeBat『Yokai Festival』

ta2nb『澁谷点描祭2019』

服部グラフィクス『大火祭渋谷地獄』

ゲームグラフィックの制約から生まれたドット絵だが、近年では鑑賞するためのピクセルアートと呼ばれるようになり、インターネット上で活躍する作家が増加し、親しみやすいポップな作風もあって盛り上がりを見せている。手軽に描けそうに見えるが、その魅力はなかなか奥深い。

同イベントは、2019年2月から3月まで開催された世界最大規模のオンライン上のピクセルアートコンテスト『Shibuya Pixel Art Contest 2019』に応募された895作品の中から選ばれた作品の表彰展示。今年で3年目の開催となり、徐々に街になじんできた印象だ。

せんボイ『にじいろ渋谷まつり』

わるうさ『うごくしぶぴ☆』

フチヌロー『しっぽのある女の子』

街中には展示場所の情報も貼られている


ネット上のコンテストの優秀作を展示


ピクセルアートは海外にも作家やファンが多く、本コンテストには国内外の素晴らしい作品を奨励して国際的なシーンを盛り上げていく狙いもある。

コンテストの審査員にはピクセルアートの作家だけでなく、渋谷区観光協会代表理事の金山淳吾、株式会社スクウェア・エニックスCGデザイナー/アートディレクターの渋谷員子、株式会社ドワンゴ取締役の栗田穣崇、『美術手帖』編集長の岩渕貞哉など多彩な面々がそろい、ピクセルアートの価値を多角的に評価する。

街中での展示は、東急電鉄による落書き防止や街のにぎやかしを目的にした街メディアROADCASTの協力を得て実現した。多くの人たちが作品に触れる機会になると同時に、街の美化にも一役買っている。

今年の最優秀賞は……?

6月22日にはコンテストの表彰式が開催され、最優秀賞はm7kenjiによる『生まれ変わる町』が受賞した。2色のみに制限した彼ならではの筆致によって、再開発が続く渋谷駅近辺の風景を再構築した作品だ。本作は街中の展示だけでなく特別映像作品として、渋谷スクランブル交差点前のQFRONTの巨大ビジョンで 6月15日から6月30日まで、9時〜23時台の毎時14分30秒と44分30秒に放映される。

「adidas Original Flagship Store Tokyo特別賞」は、yacoyonの『SHIBUYA BOYS』『SHIBUYA GIRLS』。渋谷の街中のファッション要素を描写した作品は、adidas Originals Flagship Store Tokyo B1にて6月1日から6月21日まで展示された。

ピクセルアートは表現形式もさまざまあり、制限された升目や少ない色数が条件の「Limited Pixel Art賞」や、彫刻やペインティング、ドローイングなどのアナログの表現を対象にした「Analog Pixel Art賞」など、多様な部門賞も用意されている。個々の受賞作は公式サイトで鑑賞できるので、一癖ある作品たちをチェックしてもらいたい。

HIN『untitled』

盛り上がりは年々増している


今年のコンテストについて、シブヤピクセルアート実行委員会の坂口元邦は次のようにコメントしている。「コンテストに応募した作品は、昨年まではウェブ上でしか展示していませんでした。今年からは受賞作品をリアルな場に引っ張り出すことができ、多くの人の関心を誘うことができた。また、今までは打ち合わせなどの場面においてピクセルアートやドット絵とは何か?という説明が必要でしたが、最近ではその必要がなくなってきていますね。今までのピクセルアートの主要なコミュニティーはゲームの文脈に寄っていましたが、最近はそこにいろいろなジャンルがくっ付いて拡張されていっている印象です」

投稿作品の数も年々増え、徐々に定着してきたピクセルアート。来年のコンテストも盛り上がることだろう。


『Shibuya Pixel Art Graffiti』の詳しい情報はこちら

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