[title]
2020年10月1日、渋谷ハチ公前で長年「青ガエル」として親しまれた東急5000系車両モニュメントの跡地に、新たな観光案内所がオープンした。
渋谷で最も人々の交通量が多いスクランブル交差点前のハチ公広場は、国内観光客だけでなく海外から訪れる人々にも人気のスポットだ。一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントが手がけるシブハチボックス(SHIBU HACHI BOX)の名称は、渋谷という地名、日本国外にも知られている忠犬ハチ公の相性、施設の形状を表したボックスを組み合わせたものだという。
ハチ公像の真ん前という好立地からは、街に根ざした新たな観光情報の発信が期待できる。ここでは三つの情報発信スペースと、移転オープンを迎えたディスカウントチケットストア、TKTSをレポートする。
仮想空間での観光案内
NTTドコモがPRを担当する、空間コンピューティングデバイス『Magic Leap1』と遠隔会議ソリューション『spetial』を活用した近未来のXR観光案内所。専用のアイグラスのような機械を装着することで、360度の仮想空間で観光案内を受けられる。
対応スタッフは別の場所から遠隔でアバターを通して対応するため、ウィズコロナ時代の観光案内としても注目したい方法だ。
デジタルアートで現在の渋谷を可視化
東急、東急不動産が「アップデートし続けている渋谷」をテーマに体験型コミュニケーションを通して情報提供を行うスペース。正面のサイネージディスプレーでは、ライブカメラを通した渋谷の風景と、TwitterなどのSNSを通して投稿される渋谷の情報によりリアルタイムで連動したデジタルアートを展示している。
手軽にチケットを購入『TKTS』
マグネット バイ 渋谷から移転。観劇やライブ、シアターなどのチケット購入や、スタッフの案内でおすすめのエンターテインメントコンテンツ情報を聞くことができる。
アバターと人とのコミュニケーション
かつての渋谷ハチ公広場青ガエル観光案内所がリニューアル。かわいらしい公式キャラクターの『shibuyaハートhachi』(シブヤラブハチ)が並ぶ。今後はぬいぐるみなどのグッズや、『渋谷御守』など渋谷にちなんだ土産の販売も予定しているという。またスタッフによる案内のほか、タッチパネル式サイネージによる対面コミュニケーション型アバターソリューション『Ava Talk』が設置された。
公共施設のAIアバターに置けるジェンダーバイアスについては、2020年3月に高輪ゲートウェイ駅に設置された『AI駅員』について議論がなされたばかりだが、今回のオープニングセレモニーでは女子高生の姿のアバターを通し音声スタッフによる対応が行われていた。第2弾としては男性型のアバターや、年齢性別を問わず多様なキャラクターを用意しているという。ダイバーシティである渋谷の観光案内所として、今後の選択や展開に関心が寄せられる。
関連記事