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渋谷駅近くの飲食店街、渋谷のんべい横丁が新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業している店舗支援のため、クラウドファンディングをスタートした。
1950年戦後すぐに出来たこの飲食店街には、現在39店舗が軒を連ねている。多くの店は7〜8人入れば満席、隣の人と肩が触れ合うような小さな店ばかりだ。昭和の風情を色濃く残しながらも、小さな店々に国籍や老若男女問わず寄り合うことで多様な交流が生まれる新たなカルチャースポットとして、近年再注目されていた。タイムアウト東京のレギュラーマップ『101 THINGS TO DO IN SHIBUYA(渋谷でしかできない101のこと/英語版)』でも度々掲載している。
本来なら今年は70周年を迎える節目の年だったが、全ての店は休業し、再開のめどは立っていない。
店の売り上げだけで生計を立てている店も多いため、クラウドファンディングの支援金はそうした店の経済面を支えることなどに使用するそうだ。
クラウドファンディングは6月7日(日)までを期限に400万円を目標に集め、2,000円から出資可能。「横丁のことを面白がってほしい」とリターンは飲食チケットではなく、『オリジナルロゴ入り檜枡と花の舞横丁オリジナルミニボトルのセット』(3,000円)や、一日だけ店長になれる『横丁一夜のバーテンダー』(10万円)などユニークなものが多い。現在一番人気は、横丁に掲げる金属銘板に名前を刻む権利(3万円)だそう。常連ファンに愛されているのが分かる人気順だ。
また、クラウドファンディングの影響について尋ねると「支援金はもちろんありがたいが、一番うれしいのは応援メッセージ。店舗にとってそれが何よりの力になっている」と御厨は答えていた。支援する人はぜひメッセージを添えてみてほしい。
店舗再開のめどは立っていないが、客の要望に応えて一部店舗ではオンライン酒場を実施検討中だ。課題は多いが、渋谷の街も5月中旬から徐々に活気が戻り始めている。若いオーナーの店舗から順次再開していくだろうとの予想もある。
自粛期間を通じて御厨自身、人が集まることの良さを改めて痛感したそう。他人同士が狭い中で肩寄せ合って話すならではの面白さは決して代替できない。これを機にのんベい横丁を知った人も、再開した折には一度足を運んでみてほしい。きっと一期一会の経験ができるだろう。
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