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2019年11月16日、池袋に新たな舞台芸術の拠点がオープンした。長らく大規模改修を行っていた池袋西口公園に誕生したのは、以前の野外ステージとは比較にならないほどに本格的な野外劇場だ。
フルオーケストラコンサートにも対応した舞台は、大型ビジョンや音響設備も備え、各種ライブビューイング上映も予定されている。公園の上空に浮かぶ、渦を巻いたような象徴的なオブジェは、工事中にも多くの人が目にしただろう。「グローバルリング」というコンセプトを体現するリングは、多彩なLED照明演出を可能にするだけでなく、 池袋の新たなランドマークともなりそうだ。
こけら落としとして上演されるのが、静岡県舞台芸術センター(SPAC)の大出世作『マハーバーラタ』だ。鈴木忠志の代から意欲的な活動を続けていたSPACの芸術監督を引き継いだ宮城聰の代表作でもある本作は、名前の通りインドの叙事詩を翻案したものだが、フランスのアヴィニョン演劇祭でも上演されるなど、世界から喝采を浴びている。歌舞伎俳優の尾上菊之助の企画で歌舞伎化されたことも記憶に新しい。
池袋西口公園に隣接する東京芸術劇場の活動は言わずもがな、かねてより舞台芸術に力を入れてきた豊島区。同じく2019年11月にオープンした東京建物 Brillia HALLでは宝塚歌劇の誘致に成功するなど、伝統芸能からサブカルチャーまで手を広げ、精力的な姿勢を見せている。豊島区の都市構想「誰もが主役になれる劇場都市」に今後も注目が集まる。
こけら落とし公演『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~-東アジア文化都市2019豊島バージョン-』は、11月23日(土)11時30分からと、15時からの2回公演。当日券あり。