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世界中で黒人コミュニティーの正義と平等を求め「Black Lives Matter」運動に参加し、デモ行進する人が増えている。アメリカのミネソタ州で起きた警察官の横暴によるジョージ・フロイドの死を受けて抗議行動が始まり、その後世界各地で黒人人種差別に反対する集会が行われるようになった。2020年6月15日、東京でもSNSなどによって呼びかけられた初のデモ行進が行われた。ジャパンタイムズ紙によると、渋谷で行われたこのデモ行進には3500人以上が参加し、日本における黒人差別や人種差別問題を訴えかけたという。
梅雨入りした東京の空はあいにくの雨となったが、日本に住む外国人や家族連れ、ペットを連れた人などさまざまな人たちがプラカードを掲げ渋谷に集まった。マスクとレインコートをまとったデモ隊は、代々木公園から行進をスタート。15時には渋谷交差点を抜け、営業再開後のショッピングを楽しむ人たちで溢れる原宿の明治通りへと進んだ。
デモ隊は「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」「No Justice, No Peace(正義が無ければ平和はない)」「I Can't Breathe(息ができない)」と唱えながら渋谷の街を練り歩いた。「I Can't Breathe」という言葉はフロイドと、2014年にニューヨークで起きた警察官の残虐行為の犠牲となったエリック・ガーナーの最後の言葉だ。また、亡くなったフロイドと、ケンタッキー州で銃殺された黒人女性、ブレオナ・テイラーの写真と各スローガンを日本語と英語で書いたプラカードが掲げられた。
また多くの人が、LGBTプライド月間を記念してレインボーサインを持って行進。今年アメリカで殺害された黒人トランスジェンダーのトニー・マクデイドとニーナ・ポップの写真も掲示された。デモ行進は17時ごろに終了。参加者は速やかに解散し、渋谷にはいつもの風景が戻った。
反レイシズムの意識と正義への旅は、短距離走ではなく長距離マラソンのような長い道のりだ。今回の行動によって渋谷や原宿の通行人が運動について学び、人種差別的な不正を目の前にしたときに「おかしい」と立ち上がるきっかけになることを願いたい。
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