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うま味は、日本料理で最も特徴的な味の一つだ。日本料理を食べると、最初は気付かないかもしれないが、徐々にもっと味わいたくなるような奥深いおいしさを感じることが多いのではないだろうか。そこには乾燥させた昆布やかつお節から作られた透明なスープである「だし」が大きく関わっている。
みそ汁やラーメン、うどんなどの麺料理、卵焼きなど、ほとんどの日本料理のうま味の基礎と言っても過言ではない「だし」とは、一体どこから来てどのように生まれたのか。この15分の短編ドキュメンタリー『Dashi Journey』には、その知られざる起源を探る様子が撮影されている。
このドキュメンタリーは、サンフランシスコにある人気ベーカリー、タルティーン・ベーカリー&カフェ(TARTINE BAKERY & CAFE)のレシピを集めた書籍『タルティーン・ブレッド』の撮影を担当したことで知られるフードカメラマンのエリック・ウォルフィンガーが監督を務め、東京のミシュラン二つ星のフレンチレストラン、レフェルヴェソンスの料理長である生江史伸がナビゲートするインデペンデンドムービーだ。
レフェルヴェソンスは、伝統的なフランスの仔牛(こうし)のスープ の代わりにだしを使用するなど、クラシックなフランス料理に日本ならではのひねりを加えたアプローチをすることで知られている。 生江はこの映画の中で、北海道の礼文島に赴き昆布を乾燥させる方法を紹介し、鹿児島の枕崎へ行き、家族経営のかつお節製造事業を紹介していく。日本の伝統的な「だし」と世界の料理に橋をかけた生江ならではの目線で切り取られ、語られる「だし」の世界は、意外にもハートフルなものになっている。
見終えた時には、うま味が豊富な「だし」そのものと関わっている人々への感謝と敬意を感じることだろう。
『Dashi Journey』はVimeo、もしくは公式ウェブサイトから無料で視聴可能。
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