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多くのニューヨーカーが先の週末に街中で行われた抗議行動を目撃し、動揺している。抗議は、ミネアポリス起きたジョージ・フロイドの暴行死、そして、これまで人種差別に起因する警察の残虐的行為だと指摘されてきた無数の事件での正義を勝ち取るために行われている。
抗議デモでは、警察が市民へ暴力を振るう場面も多く見られたが、人々からあふれ出る、愛と連帯、思いやりの気持ちを感じ取れる機会でもあった。平和的な抗議デモに参加した人もいれば、支持のしるしとして、自分たちのアパートから音楽を流したり、鍋をたたいたりした人たちもいた。また、歩く人たちへ、軽食やマスク、手の消毒剤、ペットボトルの水などを配る人たちも現れた。
食べ物は、常に政治的だ、この数日間で再びそのことを実感した。ニューヨークタイムズが報じたように、抗議デモの中心にレストランが登場することもある。ミネアポリスでは、バングラデシュ人家族が経営するレストランが巻き添えで全焼したが、オーナーのルヘル・イスラムは「建物を再建することはできるが、人間を再建することはできない」と、(自分が被害に遭っても)正義が追求されるべきだと語っている。ニューヨークでは先週末、ダイムス(Dimes)、ラクレット(Raclette)、B&Hデアリ(B&H Dairy)の小規模店の窓ガラスが割られてしまった。
ニューヨークのレストランは、新型コロナの流行によるロックダウンのため、すでに財政的に大きな打撃を受けているが、その中でも既に多くの店がこの抗議デモへのリアクションを取っている。ある店は言葉で、ある店は支援金集めで、ある店はニューヨーカーにおいしいものを食べてもらおうと無料の食べ物を配ることで、意志表示をしている。
今は、消費者がどのレストランを利用するか(または、しないか)を選択することができる、絶好の機会なのかもしれない。レストランの利益率はすでに大きな打撃を受けている現状では、人々に選ばれるかどうかが、店の生き残りに大きく影響するといえる。レストランが沈黙を守っているかどうか、あるいは国中で起こっていることについての考えを共有しているか、その行動自体がメッセージなのだ。ニューヨークでは、まだまだ多くの抗議行動が予定されている。
意志表示をしたニューヨークのレストラン
ワイルドエア・アンド・コントラ(Wildair and Contra)