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日本万国博覧会(大阪万博)閉幕後も、大阪のシンボルとして広く知られている太陽の塔。その内部が、2018年3月19日(月)から約50年ぶりに公開される。それに先立ち、3月17日にはプレスツアーが開催された。一足先に太陽の塔内部を見てきたタイムアウト東京編集部が、見逃せないポイントも交えながら、その様子をレポートする。
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太陽の塔は、1970年に開催された大阪万博のテーマ館の一部として、岡本太郎がプロデュースした高さ約70メートルの塔だ。地下展示では「過去」を、今は取り外されている大屋根部分の空間展示では「未来」を、地上の広場では「現在」を表現した空間となっていた。万博の来場者は、地下の展示場から、約40メートルの『生命の樹』がある太陽の塔の内部を通って、大屋根の空中展示場へ。続いて、エスカレーターで地上の広場まで降りてくるルートで作品を鑑賞した。
万博閉幕後、内部は長い間扉を閉ざしていたが、2018年3月、常設の展示施設に生まれ変わった。今回の再公開では、これら全てが再現されているわけではないが、内部の展示物の修理と復元を実施。耐震補強工事も行い、約半世紀ぶりに、塔内に入ることができるようになったのだ。
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1. デザインの歩みを見る。
展示スペースに入るまでの通路には、岡本太郎が描いた太陽の塔のラフ画が飾られている。地面に根を張った木のようなものや、顔が6つあるものなど、様々なデザインを経ながら、現在の太陽の塔の形に繋がっていく様子を見ることができるスペースだ。約3ヶ月にわたって描かれた数枚のラフ画ではあるが、少しだけ岡本太郎の頭の中を覗けた気分になるだろう。
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2. 第4の顔に出会う。
太陽の塔は、頂部の『黄金の顔』、正面の『太陽の顔』、背面の『黒い太陽』の3つの顔を持っているが、当時は、地下展示エリアに『地底の太陽』という第4の顔もあった。しかしながら、大阪万博閉幕後、撤去されたのちに行方不明に。今回展示されているのは、当時の資料をもとに復元されたものとなる。2017年2月に、海洋堂の原型師、木下隆志が全ての基になる全長30センチメートルほどの原型を制作してから、岡本芸術に精通する有識者による原寸原型チェックなどを経て復活した。ラフ画が飾られた導入街道を抜けると、壮大な『地底の太陽』が我々を迎え入れてくれる。
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ちなみに、地下展示スペースは、万博閉幕後に全て撤去され、埋め戻されてしまったが、かつては、大きく分けると3つのゾーンで構成されていた。5億倍に引き伸ばされたDNAやたんぱく質などが、観客を包み込む神秘的な「いのち」のゾーン。狩猟時代の人間のドラマが空間全体で描かれた「ひと」のゾーン。世界から集められた仮面や神像が、剥き出しのまま中空に浮かぶ呪術的な「いのり」のゾーンの3つだ。残念ながら、地下展示の全ては再現されていないが、今回のこの空間では、仮面や神像を展示するほか、プロジェクションマッピングや、過去の様子を映した映像、照明などを駆使し、『地底の太陽』が設置されていた「いのり」のゾーンの呪術的な雰囲気を表現している。
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3. 生命の樹を見上げる。
塔内にそびえ立つ、約40メートルの生命の樹には、原生類時代、三葉虫時代、魚類時代、両生類時代、はちゅう類時代、哺乳類時代に生きてきた、約180体の生きものが取り付けられている。生物群は、太陽虫やクラゲから、アンモナイト、恐竜、マンモス、ネアンデルタール人など。上に行くにつれて時代が進んでいく設定で、命の歴史を感じることができる。模型のリアルさや大きさも含め、大迫力の生命の樹を前にすれば、誰もが高揚感を感じずにはいられないだろう。普段はもっぱらエスカレーター派の筆者も、気が付いたら、上を目指してぐんぐんと階段を上っていた。
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4. 半世紀の時の流れを感じる。
いろいろな生物に目移りしてしまう生命の樹だが、絶対に見落とさないでほしいのがゴリラだ。生命の樹に取り付けられた生物群は、万博終了時、撤去されるものもあれば、そのまま放置され、朽ちていったものもあったという。そのため、新規制作ではなく、修復という形を取られたものも多いのだが、唯一、手付かずのまま、経年劣化の状態で展示されているのがゴリラなのだ。半世紀の間にゴリラの頭部は劣化し、脱落してしまっていたという。しかし、『生命の樹』がたどった半世紀という時間の厚みをとどめるため、あえて修復していないのだそうだ。
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5. 限定フィギュアをゲットする。
展示を一通り見終えたら、ショップにも立寄ろう。ここでは、塔内のだけでしか手に入らない、ブロンズ彩色の『太陽の塔フィギュア』(2485円)を購入することができる。2018年にちなみ、販売数は2018体限定。購入できる個数は、1人1体までとなる。
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取材中は、大迫力の空間に終始興奮状態だった。正直な感想を言えば、48年前の状態で見てみたかったとも思わずにはいられなかった。だがタイムスリップで過去に行くなどというのは不可能な話。2018年に『太陽の塔』を、外側からだけでなく内側からも体感できるようになったというのは、うれしい限りだ。岡本太郎の偉大さを改めて感じるべく、ぜひ足を運んでみてほしい。
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