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大人の家庭科室こと渋谷の厨房的酒場、高丸電氣がオープン

客席フロアと厨房が同化したかのような空間で癖になる料理と酒をたしなむ

テキスト:
Genya Aoki
高丸電氣
Photo :Keisuke Tanigawa
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SNSでひそかに話題になっている酒場、高丸電氣を知っているだろうか。渋谷から明治通りを8分ほど歩いた落ち着いた一角に2020年7月2日にひっそりとオープンした店である。

店主、高丸聖次はレモンサワーブームをけん引した恵比寿にある晩酌屋おじんじょのオーナー。2014年開店後、瞬く間に食通の間で話題となり、連日多くの客でにぎわっている。そんな高丸が満を持して手がける2店舗目がこの高丸電氣だ。オープンして1カ月足らずだが、コロナ禍の中でも活況を呈している。この店はなぜ人をひきつけて止まないのか、高丸にその秘密と思いを聞いた。

変わりゆく渋谷のローカルな新名所に

高丸電氣
Photo: Keisuke Tanigawa


2019年度から始まる渋谷エリアの大規模再開発は「100年に一度の大事業」と言われている。そんな世界中から注目されている都市の中で、ローカルに楽しめる新名所を作ろうとして生まれたのが高丸電氣である。その思いから出発し、高丸は5年ほどかけてあらゆるレストランや居酒屋をリサーチ、たどり着いたのが「飲食店の厨房で飲む」というコンセプトと「家でも外でも食べたい癖になる料理」という非日常と日常を併せ持つ同店だ。「老若男女問わず、地元の人も外からの人もそれぞれが楽しめる店を作りました」と高丸は胸を張る。

「飲食店の厨房で飲む」という非日常

高丸電氣
Photo :Keisuke Tanigawa

高丸は「このお店で一つだけ感じてほしいことを絞るなら、非日常です」と話す。立地的にふらりと訪れる場所ではない分、来たら面白いと思ってもらえるポイントをいくつも用意している。学校の家庭科室を思わせるキッチンと客席が同化したかのような席もその一つだ。入るといきなり鉄板やステンレスの冷蔵庫、食器類などのキッチンが飛び込んできて、見たことのない空間に心踊るだろう。目の前の鉄板で炒める『焼麺』や『焼玉子』は匂いや音がダイレクトに五感を刺激するエンターテインメントであり、距離感の近いスタッフとのやり取りはアジアの夜市のような楽しさも感じさせる。

高丸電氣
「食べるレモンサワー」というコンセプトの『レモンピクル酎』(650円)、友人のピクルス店にお願いして瀬戸田のレモンを使ったレモンピクルスを粗みじんにし、フローズン状にしたものを入れている (Photo: Keisuke tanigawa)

ビールは小瓶ビールのみで10種類(各500円)ほど用意。ヱビスやキリンなどの定番銘柄の中に、黒い青島ビールやアサヒのドラフトなど見たことがない珍しい銘柄や、ひとひねりきいたレモンサワーの数々。料理は、一切焼いていない『汁餃子』など、さまざまな定番メニューをリアレンジして生み出された品は、いずれも知っているものがアメイジングに変貌する驚きに満ちており、非日常を味わうのに一役買っている。

「家でも外でも食べたい料理」を自由にアレンジできる楽しさ

高丸電氣
左下『焼玉子(黒酢オイスターソース、蟹、花にらトッピング)』、上『赤海老ぬか漬け』、右下『ピータンのウフマヨ』(Photo: keisuke tanigawa)

非日常を演出しながらも、料理やドリンクでは毎日でも楽しめる工夫が凝らされている。看板料理である『焼玉子』はマサラトマトソースや黒酢オイスターソースなど数種類のソースが選べるなど食欲をそそるアレンジであふれている。いずれも小ポーションで提供し、いろいろな種類の料理を少しづつ楽しめるのもポイントだ。「ビールを二つミックスして飲むと新しい味わいになっておすすめです」と高丸は語る。客が自分の好みや、その日の気分で楽しめるようにあえて選択肢を増やしているので行けば行くほど発見があるのだ。

ビールはオーダーせずにセルフで冷蔵庫から取って飲むと安くなるなど、常連がにやりとできるシステムも面白い。

また、12〜16時は「昼飯電氣」と称して営業しているので、昼飲みや遅いランチにも最適。『シルキーマカレー』(600円)など新感覚メニューを提供している。テイクアウトやLINE@で受注するデリバリーも実施している。

渋谷の新名所は決して伊達ではない。訪れるなら、観光客が押し寄せていない今が狙い目。早めにチェックしておこう。

高丸電氣の詳しい情報はこちら

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