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現在、ヨガやピラティスなどのオンラインフィットネスが広っている。自宅でなにかを習うということもポストコロナの時代には定着しそうだ。
舞台で活躍する現役のパフォーマーから、直接学ぶこともオンラインならば可能。なかでも興味深いのが「そろり、そろりと参ろう」でおなじみの狂言だ。その本家本元である和泉流狂言20世宗家和泉元彌とその姉2人、和泉淳子と三宅藤九郎が、分かりやすく面白く狂言の鑑賞法を伝える『和泉流狂言チャンネル』は興味深い。
例えば5月5日の子どもの日に公開された『親子で楽しんでね『柿山伏で楽しむ』vol.1』では、小学校6年生の国語の教科書にも載っている『柿山伏』のストーリーや登場人物の装束について、実際に演じて見せながら解説。狂言を初めて知る子どもたちにも分かるような構成になっている。
主人公、山伏の紹介の後は、柿を盗んだ山伏をからかう柿の所有者、畑主についても説明。
歴史的史実を基にした物語を扱う能に比べて、狂言は時代や場所や特定されず、日本のどこにでも、いや世界のどこでもあり得る喜劇をが演じられる。登場人物も第一家来の太郎冠者、二番目の家来の次郎冠者、山伏、畑主というように役職や立場だけで、固有名詞はない。
約600年前から語り継がれた演目は、台詞や仕草から状況を汲み取り、想像力を巡らすことで、どの時代の、どの文化にも通じる、共感できるエピソードとなる。それゆえ、外国語に訳しやすいという。
解説を主に担当する三宅藤九郎が、基本的な動作、構えやすり足、道行までレクチャー。摺り足で舞台を1周回ることで、場面が変わる道行を実演している。
このすり足の歩き方は、軸をぶらさずに進むので体幹が鍛えられ、姿勢が整いそうだ。十世三宅藤九郎によるZOOMでのセミプライベート稽古も開始され、5回で小謡、または10回で小謡と小舞を習得する初級編を開講。自宅から普段着で参加できるため、ハードルは高くない。
5月20日(水)、22日(金)は、単発でも30分のクラスに参加でき、狂言の基礎体験を入門できる(参加費1500円)。ブラウザからの参加は家族で受講可能なので、夫婦や親子で体験するのも楽しい。そのほか5月25日(月)~29日(金)には、5回コースの講座も企画している。
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テキスト:間庭典子
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