[title]
2020年8月28日、内閣総理大臣の安倍晋三は持病の悪化などを理由に職務を辞任する意向を固めた。安倍は2012年に第96代内閣総理大臣に就任、今月24日には連続在職日数2799日となり、大叔父である佐藤栄作の2798日を抜いて歴代最長を更新したばかりだった。
年始から新型コロナウイルス感染症の対応などで間断なく執務に当たっていたが、8月16日から3日間夏休みを取り、17日と24日には慶應大学病院で検診を受けていた。その検診の結果、持病の潰瘍性大腸炎の悪化を明らかにし、病気と治療のために政治判断を誤ったり、結果を出さないことがあったりしてはならず、総理大臣の地位にあり続けるべきではない、と述べた。なお、辞任は自分一人で決断したといい、議員辞職はしない意向だ。
安倍は2006年、戦後最年少の52歳で総理大臣に就任したが、今回と同じ持病を理由に在任期間366日で辞任しており、今回も持病の悪化が懸念されていた。Yahoo!ニュースによれば、27日に副総理兼財務大臣の麻生太郎が元総務大臣の佐藤勉ら麻生派幹部と会食し、「ポスト安倍」に向けて協議したとされていたが、それを裏付ける形だ。
安倍は、「アベノミクス」を推進して景気回復を目指したほか、新型コロナウイルス感染症対策で緊急事態宣言を発令するなど精力的に政務を遂行する一方で、森友学園や加計学園の問題や検察庁法改正案など多くの問題を指摘する向きもある。安倍自身は、この問題に対して政権の私物化はあってはならないと述べるに留めた。
後任の総理大臣が決まるまでは臨時代理を置かずに自ら執務に当たる意向だという。後継には石破茂や岸田文雄らが名乗りを挙げており、総裁選の日程などは9月1日の総務会で決められる方針。
関連記事