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新型コロナの大流行により、世界中で起こったロックダウンは多くの人々にとって恐ろしく制限的であった。それでも、人間により独占されていた地域で見つけた新しい自由を謳歌する動物が現れたり、世界の二酸化炭素などの排出量が劇的に減少するといった良い副作用もあった。
地上で待機する旅客機が増えたこと、交通量の減少、産業界の一時停止のおかげで、世界中の大気の質も大きな変化が見られた。中国がロックダウンしたことで特に目立ったのは、化石燃料の燃焼から発生するガスである二酸化窒素の減少だった。
しかし、空がきれいになったのは一時的なものだったようだ。中国がロックダウンを解除したここ数週間で、エネルギー・クリーンエアー研究センターの科学者たちは、大気汚染レベルが1年前と同レベルに戻ったことを確認したのだ。ロックダウン中は2019年と比べ、汚染レベルが38%も下がっていた。
同センターの主任アナリストであるラウリ・ミルヴィエルタはガーディアンに対し「中国全土で大気汚染と石炭消費が急速に戻っていることは、空気を汚染する重工業を中心とした経済回復がどうなるかの早期警告と考えられる。汚染度の高い産業は、ほかの経済領域より危機からの回復が早かった。政策立案者はクリーンエネルギーを優先するべきだ」と語った。
現在、ヨーロッパで暫定的にロックダウンが解除されているため、ヨーロッパ全体で大気汚染レベルが再び上昇することが懸念されている。
しかし、希望はある。ロックダウン中にポジティブな変化を維持できた地域もある。多くの都市では、環境に優しい移動を促進するために、歩行者専用道路や新しい自転車専用道路が建設されている。これまでオーバーツーリズムに悩まされてきた都市は、今後はより環境に優しく、持続可能な旅行を促進する方法を模索している。また、引き続き柔軟な労働環境を求める声はリモートワークを増加させ、車や公共交通機関を利用した通勤をさらに減らすはずだ。さて、実際はどんな未来になるだろうか。
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