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新型コロナウイルスによるロックダウンで閉鎖を余儀なくされたロンドンのLGBTQ+関連の店にとって、2020年はタフな1年だった。規制が緩和されたとはいえ、クラブは営業を再開できず、バーは22時までの営業制限で打撃を受けている。
そんな状況でも、良い知らせはある。2020年9月末、ロンドン市長のサディク・カーンは、ここ数カ月で最も大きな打撃を受けた市内のLGBTQ+ヴェニューのいくつかへ緊急資金を提供したと発表したのだ。
発表によると、ロンドンの七つの地区にまたがる11店舗のLGBTQ+ヴェニューが、運営危機にある音楽ヴェニューや独立系映画館、アーティストのアトリエなどを支援する緊急支援基金(Culture at Risk Business Support Fund)からの助成を受けた。
今回の助成額はトータルで12万8,500ポンド(約1,750万円)。支給額はヴェニューによって異なり、最も多いのはランベスにあるファイア(Fire)で、2万3,000ポンド(約313万円)。次いでイーリングのウェスト・ファイブ・バー(West Five Bar)が1万8,000ポンド(約245万円)、ハックニーのザ・グローリー(The Glory)が1万5,000ポンド(約204万円)だった。これらの支援は、各店の家賃やスタッフ、仕入先への支払いなど含む継続的な費用へ充てられることが想定されている。
助成対象のLGBTQ+ヴェニューは以下の通り
Bar CMYK
Circa Club
Dalston Superstore
Eagle
Fire
George & Dragon
New Bloomsbury Set
Royal Vauxhall Tavern
The Glory
VFD
West Five Bar
助成元となった緊急支援基金は、新型コロナの危機の中において、ロンドン市長が創造的産業を支援するため立ち上げたもの。総額230万ポンド(約3億1,280万円)のうち、LGBTQ+ヴェニューには22万5,000ポンド(約3,060万円)が割り当てられている。市政府は今後数カ月の間に、さらなる助成金を分配する予定だ。
市長は「開放性と多様性を受け入れる都市の長であることを誇りに感じます。我々はパンデミックで大きな影響を受けたLGBTQ+ヴェニューが、コミュニティーをサポートする上で重要な役割を果たしていること、自分らしく安心して自由に過ごすことができる『安全な避難所』として機能していることを認識しています。だからこそ、我々はこれらの場所を途絶えさせないよう懸命に努力し、活気あるロンドンのLGBTQ+シーンの未来を守るために、この重要な時期に投資と支援を提供しているのです」と述べている。
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