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予算難に悩まされているメトロポリタン美術館は、2020年7月に分館であるメット・ブロイヤー(The Met Breuer)を閉館することを発表した。アートネットの記事によると、建物は今後、アッパーイーストサイドにある拠点の拡張計画を進めているフリック・コレクションが、工事中の仮展示スペースとして使う。
メット・ブロイヤーの閉館は、MoMA、グッゲンハイム、ホイットニーに匹敵するような、20世紀と21世紀のアートを扱う中心的な存在になろうとしていたメトロポリタン美術館のチャレンジの終焉(しゅうえん)を意味する。同美術館がこの建物を借りたのは2015年。
ミートパッキング地区へ移転したホイットニー美術館の後に入り、ブルータリズムを代表的する建物をデザインしたマルセル・ブロイヤーにちなんで、メット・ブロイヤーと名付けた。しかし、8年間のリース期間の途中で財政難に陥り、フリック・コレクションにまた貸しせざるを得なくなった。
メット・ブロイヤーでは、これまでケリー・ジェームス・マーシャル、ダイアン・アーバス、ヴィヤ・セルミンスなどのアーティストによる企画展や回顧展を開催。3月のロックダウンにより9日間のみの公開だったが、ゲルハルト・リヒター展が最後の展覧会となった。ささやかれた再開や延長は実現には至らず、そのまま閉館となってしまった。
メトロポリタン美術館では、五番街沿いにある本館を8月には再開すると発表しているが、正確な日程はまだ決まっていない。
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