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ポストコロナにおける美術館の新しい日常

再開する美術館が依拠する新型コロナウイルス感染症対策の基準を紹介

テキスト:
Sato Ryuichiro
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多くの自治体で緊急事態宣言が解除されるなか、再開する美術館も出てきている。再開した館は、新型コロナウイルス感染症の第2波を含めた感染の予防策をそれぞれに打ち出している。その指針の一つが、国際美術館会議(CIMAM)が4月28日に発表した注意事項だ。これは、シンガポールナショナル・ギャラリー、M+ 香港、森美術館の三館の新型コロナウイルス感染症への対応に基づいて策定された。各館の対応などに疑問を持った際には重要な参照点となるだろう。

 全体は「来館者の安全」「スタッフの安全」「ファシリティーマネジメント」「来館者などとのコミュニケーション」に分かれ、全20の項目から成る。以下に一部を紹介しよう。

来館者の安全

・来館者の体温検知と体調不良のチェック(体調不良の場合、帰宅して治療を受けなくてはならない)

・エントランスや入場場所での来館者の登録と接触者追跡対策の実施(来館者や参加者の連絡先の詳細(氏名、電話番号、メールアドレス)を得るなど)

・可能な場所では来館者や参加者はマスクを着用

スタッフの安全

・各部署が2、3のチームに分かれてのフレキシブルな労働形態や、在宅勤務とオフィスでの仕事のローテーションを組めるようなシステムの検討

ファシリティーマネジメント

・現金の取り扱いを最小限にするために、チケット購入はオンラインやモバイルでの購入や電子決済の採用の推奨

ほかにも一度に100人以上のイベントの中止、参加者同士の距離が1メートル以上、スタッフの検温、新型コロナウイルス感染症による差別の防止のために感染拡大を周知する、などがある。

ソーシャルディスタンスの距離は、国際博物館会議(ICOM)が発表した方針である1.5メートルや私たちが知っている2メートルなど、基準はさまざまではあるが、積極的にキープしていこう。現在開館中の美術館の多くは上記の指示に従っている。これらを守って鑑賞を楽しんでほしい。

CIMAMによる原文はこちら

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