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ベルリン市、クラブの屋外スペース利用を支援

行政がかじ取り、合法パーティーの機会を創出

Huw Oliver
テキスト:
Huw Oliver
UK Editor
Mauerpark Flea Market
Photograph: Shutterstock
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テクノ好きな人やカジュアルな旅行者にとって、ベルリンは壮大で騒々しく、間違いなく最高の夜を楽しめる街の代名詞となっている。そのため、2020年3月中旬からこの街のクラブが閉鎖されているという事実は、多くの人にとって信じがたいはずだ。ドイツ全土でロックダウンが緩和されるなか、ソーシャルディスタンスを確保しながら夏の間のビアガーデンとして再オープンし、危機をなんとか乗り越えようとしているクラブもある。

そんな状況下で、ベルリンのナイトライフ産業を本来の姿で復活させるため、ベルリン市が動き出した。市当局が、苦戦しているクラブやほかのナイトライフ関連ヴェニューが、市内の主要な屋外スペースをイベント会場として使うことを可能にするよう、関係各所に働きかけているのだ。

ベルリン市の経済政策を統括するラモナ・ポップは、市内各地区のトップに手紙を送り、イベント会場になり得る道路、広場、公園を提供するよう求めている。彼女はベルリン・モルゲンポスト紙に対し「ベルリンは多様なクラブシーンを失っています。だからこそ、クラブとベルリンの人たちのために、公共の場所でのパーティーを可能する合法的な機会を作りたいのです」と述べている。

ベルリン市ではこれまで3,000万ユーロ(約37億円)をアートやナイトライフ関連のヴェニューを支援するために支給。アバウトブランク(://about blank)、トレゾア(Tresor)、ケーター ブラウ(Kater Blau)などのヴェニューが、すでに平均8万1,000ユーロ(約1,000万円)を受け取り、閉鎖を免れた。同市の文化当局はさらに、今後2カ月間で全体の支援額を2倍にすることを約束している。

ベルリンのクラブシーンの完全復活までにはまだ時間がかかりそうだが、市のおかげでベルリンのエッジーなクラブの多くが、アウトドアという新たな空間で再始動する可能性が高くなってきた。もしかしたら、夏の終わりを待たずに実現するかもしれない。星座の下でのビッグパーティーに期待が高まる。

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