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巨大になりがちな発電所は、一度使われなくなると、その膨大な空間の使い道を探すのは難しいもの。ヘルシンキ市当局は、同市の元発電所を、ロンドン、トロント、上海にならって、たくさんのアート作品を展示することで再活用するようだ。
ヘルシンキでサブカルチャーが集まるエリアとして注目されているのが、港があるスヴィラハティ地区。この場所にあるハナサーリ石炭火力発電所は、2024年に閉鎖となる。2020年8月18日に公表された閉鎖後の再生プロジェクトでは、この発電所を巨大な芸術文化複合施設に変えることが盛り込まれた。
ヘルシンキ・シティー・オーケストラのキュレーターであるアレクシ・マルンバーグが率いる独立作業部会がまとめた提言書『Art and Culture in Helsinki 2030』によると、この施設は「生きている都市文化、芸術的パフォーマンス、美術館の活動、持続可能な都市開発、技術的専門知識と研究の全てを結びつける」新たな文化のハブになるという。
計画では、ハナサーリ発電所を2030年までに市内でも有数の芸術文化施設にしていくことを目標として設定。また、現在オリンピック・テニスホールの中にあるヘルシンキ美術館(HAM)の発電所近くへの移転、周辺エリアへの建築とデザインの両テーマを融合させた博物館の新設も検討されている。
アートが常に予算削減の脅威にさらされている今、少なくとも一つ都市がこのような野心的なプロジェクトを進めようとしているのを見るのは心強い。この施設が完成するころにはきっと海外旅行もできるようになっているだろう。
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