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群馬の地酒『水芭蕉』はビ―ガン認定を受けた日本酒だ。「なぜ日本酒が認定されているのだろう? 」と疑問に思うかもしれないが、澱(おり)下げなどの工程で動物由来のゼラチンを使うこともあり、日本酒のビ―ガン認定は岩手の『南部美人』に続き、日本で2番目となる。
2020年9月に販売開始した『MIZUBASHO Artist Series』はより、気軽に日常でビ―ガン日本酒を楽しむことをコンセプトにしたコレクション。瓶内二次発酵技術を生かしたシルキーな泡の「スパークリング」、ライチのような口当たりの食中酒「スティル」、チーズとの相性もいい「デザート」の3種を開発した。和食だけでなく、幅広いマリアージュが楽しめる。
アーティストとのコラボレーションもテーマの一つで、今回は草津温泉に美術館があり群馬とのゆかりある片岡鶴太郎によるもの。
しかし、ミズバショウは世界的な気候変動やニホンジカの食害によって尾瀬から消えつつあるという。その事態にショックを受けた永井酒造は、尾瀬の土地管理などを請け負う東京パワーテクノロジー、尾瀬の広報やプロモーション活動をしている三条印刷と手を組み、『尾瀬の水芭蕉プロジェクト~心に花を咲かせましょう~』を立ち上げた。売り上げの5%はプロジェクト資金として運用し、ミズバショウの栽培や苗畑での育成事業を推進している。
ミズバショウを思わせる可憐(かれん)で軽やかな一杯が、未来の尾瀬国立公園の景色を変えるかもしれない。
テキスト:間庭典子
『MIZUBASHO Artist Series』の公式ウェブサイトはこちら
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