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バルセロナの街中には何百ものキオスク(売店)が点在しており、誰もが一日の始まりに新聞を持っていた時代の面影を残している。近年ではそのうちの幾つかが閉店。しかし、アシャンプラ地区ではある二人の若者が、キオスクを存続させる方法を見いだした。
2020年9月にオープンした「Odd Kiosk」は、1年前までは、ほかの多くのキオスクと同じく新聞などを扱う普通の売店だったが、閉店を余儀なくされた。その後、建築家のチェマ・モンテロとグラフィックデザイナーのイヴァン・ヒメネスが改装。目を引くピンク色になり、新たな役割を得て復活を果たしたのだ。
リニューアルしたキオスクのラックには、最先端のデザイン、アート、ファッションに特化した専門誌、インディーズ雑誌、LGBTQ+のジン、バルセロナまたはスペイン出身の30人ものアーティストによる作品が並んでいる。
併売されている飲み物や軽食もこだわりが見られる。個人商店が作っているものが多く、例えば、バルセロナのベーカリーカフェ「デマシエ」のスイーツ、バダホス県の女性が作るコンブチャがある。水は、ペットボトルよりも環境に優しいカートン入りだ。
このキオスクでは今でも日刊紙やスポーツ新聞も販売。モンテロとヒメネスの二人は「近所のお客さんにもサービスを提供し続けたいと思っています」と語った。
店の変わった名前について、彼らは「私たちは、人と違っていてもいいということを伝えたいのです。違いを受け入れれば、より尊重された多様性のある社会になるだろう」と教えてくれた。
シンプルなキオスクがこのようなメッセージを送ることができるとは、誰が想像しただろうか?
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