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2018年にオープンし、『ミシュランガイド東京2020』で二つ星を獲得したレストランイヌア(INUA)が、当面の間休業することを発表した。同店は『世界のベストレストラン50』で1位を4度も獲得した超一流レストランノーマ(noma)の姉妹店だ。多くの飲食店と同様に、新型コロナウイルスの影響で2020年4月上旬から休業していた。
東京では規制を解除し経済活動が再開されているが、外食産業の将来はいまだに不透明なままだ。7月3日にイヌアがソーシャルメディアで発表した声明の中で、料理長のトーマス・フレベルは「東京に限らず世界中のホスピタリティ業界の先行きが不透明であることを受け、イヌアはさらに休業期間を延長するという決断に至りました。非常に難しい選択ではありましたが、常にスタッフとゲストの健康を第一に考えてきた私たちにとって、これが唯一そして最善の決断です」と述べている。
イヌアはフレベルの指導のもと、日本固有の味と食材を使ったメニューを提供する革新的な和食、ノルディックダイニングとして世界の注目を集めた。ノーマの味を日本で体感できる店として高い評価を得ており、予約が困難なレストランとしても知られている。
ドイツ生まれのフレベルは、「世界一のレストラン」とたたえられるノーマで10年間働いた経験を持つ。彼が日本の魅力を感じたのは2015年のこと。東京のマンダリンオリエンタルホテルで3カ月間行われていたノーマのポップアップレストランがきっかけだったという。その後、3年間の制作期間を経て2018年6月にイヌアがオープンした。
イヌアの料理研究開発チームは、秋田県産の山菜や愛媛県産の山椒の花、長野県産のハチの幼虫など、季節感のある珍しくも多様な食材を探し出し、美しく独創的な料理を創り出していた。短い期間であったが、東京のフードシーンに与えた影響は大きく、惜しまれることだろう。
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