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ニューヨーカーは引き続き、屋外席での食事を今のように楽しめる。2020年9月25日、ニューヨーク市の市長であるビル・デ・ブラシオがラジオ局とのインタビューでそう宣言した。
新型コロナの大流行以降にニューヨークで導入された、飲食店における屋外席設置についての規制緩和が、2020年10月31日(土)の終了を控えていた。しかし、市長はこの施策を恒久的なものにすると宣言。「オープン・ストリーツ」といった、車の行き来を心配することなく飲食店が指定された街区を利用することを可能にしていた取り組みが、今後も続けられることになったのだ。ニューヨークにおける屋外席の利用がこれほど優遇されたのはこれまで初めてのことと言えるだろう。
市長はインタビューを受けたWNYCのブライアン・レーラー・ショウで、「この街は、飲食店業界に依存しています。もはや我々の一部です。この取り組みを何年、何世代にもわたってニューヨークの生活の一部にしていきたいと考えています」と述べた。
新型コロナの危機がニューヨークのホスピタリティ業界を不振に陥れて以来、屋外席はこの街の飲食店にとっての生命線となっている。人々は何カ月も室内に閉じこめられていたが、最近ではすてきな屋外席がある店に足を運ぶようになった。彼らを魅了するため、新たに素晴らしい屋外席を設ける店も出てきている。
それでも、過去半年間で数多くのレストランが廃業。苦戦を強いられていた状況下で、市政府には歩道や路上での屋外席の設置を短期間ではなく、長期間可能にする合法化を求める声が大きくなっていた。
NYCホスピタリティ・アライアンスの事務局長であるアンドリュー・リジーは声明の中で「屋外席での食事はニューヨークの街並みをより良いものに変え、新型コロナの大流行の間、ニューヨーク市で何千もの飲食店とその雇用のための重要な生命線となってきました。
今回の発表は、より強く、より回復力があって住みやすい都市を再建するための大きな一歩です。引き続き、隣接する屋外スペースの利用することで、席数を確保でき、必要な収入を生み出すことができます。客にとっては今後も屋外席での食事における自由度が高くなり、店はこれから寒くなっても暖房ランプを設置して客を迎え入れることができるのです」と市の対応を評価。
この発表は9月30日(水)に、店内席での営業が再開できるようになることを受けてのもの。当初は収容人数の25%のみでの営業しか認められないため、屋外席の設置継続が頼みの綱だった。デ・ブラシオは「これで飲食店が生き残りやすくなると思います」と、取り組み継続の効果に期待を寄せている。
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