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今ニューヨークで借りることができるアパートなど賃貸物件の数は、これまでよりもかなり多いということは周知の事実であるが、実際に空いている部屋の数は想像よりも多いようだ。
不動産情報ウェブサイトBrick Undergroundの報道によると、少なくともニューヨーク市の大手不動産会社、コーコラン・グループの最高執行責任者 (COO)であるゲリー・ミランは、ポッドキャスト番組『Talking Manhattan』でそう主張している。彼いわく、ニューヨークの空室率は実は20%にもなっているというのだ。
マンハッタンの賃貸料は過去約10年の間で最低まで落ち込み、2020年6月と7月には実に前年比で10%も下落。過去数年でいえば、基本的にはマンハッタンの空室率は約1%であったが、それが2020年10月には6%を記録した。
「それでも、賃貸に出されている20部屋のうちの1部屋ちょっとでしょう?」と思うかもしれない。でも心配しないでほしい。我々も(そこまで)数字に弱いわけではない。ミランは、20%という数値は「シャドーインベントリー(影の在庫)」という現象に依拠していると教えてくれた。
「シャドーインベントリー」とは、邪悪な大規模小売業者にピッタリの名前である。と同時に、家主が市場流通させていない空室を指す言葉でもある。
4月にニューヨークポストは、ニューヨーク市内のシャドーインベントリーは3万8200にも上るとの試算を伝えた。この数字は間違いなく、これまで考えられていた業界の傾向を上回る。どうやら、ニューヨークの賃貸料が高いまま維持されている理由の一つには、シャドーインベントリーが一斉に市場に出てくることはないと思われていることがあるようだ。
一方で、もし新しい賃貸契約を結ぼうとしていて賃貸料を少し値下げしてもらいたいなら、今は借り手が強い立場にあることが、役に立つ追加情報になるかもしれない。もしまだ賃貸料の値下げ交渉をしていないのなら、今がその時だ。
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