[title]
映画『ミッション・インポッシブル』シリーズの最新作の撮影をノルウェーで行うため、トム・クルーズが2020年9月末までノルウェーのクルーズ船を丸ごとレンタルしていると報じられている。これは同国の新型コロナ関連のルールを尊重するための対応だ。
地元メディア、ノルウェートゥデイが報じているところによると、トムはフッティルーテン社のクルーズ船2隻に約7,000万円を支払っているという。
映画業界紙であるバラエティは、「船は撮影クルーを宿泊させるためにレンタルされているようだ」とリポート。ノルウェートゥデイは、ストランダ市の議員が現在ヘレシルトに停泊しているMSフリチョフ・ナンセンという船が、撮影中のホテルとして利用されることを確認したと伝えている。
話はそれだけではない。先週ノルウェー政府は、映画の製作を加速させて2021年11月の公開に間に合わせるため、撮影クルーの隔離を免除することを発表したのだ。しかしこの動きがノルウェーの労働組合を刺激。彼らが、移民法に関連してクルーズ会社を警察に通報したとみられている。
ニューズウィーク誌によると、この告発には船内で働くフィリピン人労働者の最低賃金が低いとされることが関係。労働組合のリーダー、ジョニー・ハンセンはノルウェー船員協会に「時給29ノルウェークローネ(約330円)の労働者がいる船を停泊させるのは、(我々の労働環境にとって)サスティナブルではない」と語っている。
これに同調するように、組合連合のリーダーであるヨルン・エグムは、地元のタブロイド紙ヴェルデンス・ガングに「海外への航海へ出るはずの船が、ストリーンでホテルとして使われるのは好ましくない。法定の給与や労働条件と程遠い条件で働いている従業員がいないことを願う」と述べている。
『ミッション・インポッシブル7』でトムが経験した「ドラマ」はこれだけではない。作品の中でのポーランド部分の撮影のために同地の築114年の橋、ピリコヴィツェ橋を爆破することを頼んだとするうわさに対処してきたのだ。
最終的には、この橋は2017年の法改正によって保護されており、撮影クルーの要求や意図に関係なく、人為的な破壊から免れていることが判明。地元の政治家も「取り壊しの懸念は無意味」とツイートしたことで収束した。
映画製作として、完成まで持っていくことがほぼ不可能に近い「ミッション」になっているのは明らかのようだ。
関連記事