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アメリカのウォルト・ディズニー社は2020年6月25日に、人気アトラクション「スプラッシュマウンテン」を一新すると発表した。人々に愛されてきた同アトラクションは、賛否を呼ぶ1940年代の映画『南部の唄』がもとになっている。
ディズニー・パークスは、ディズニーランドとウォルト・ディズニー・ワールドのマジック・キングダムの両方で、より現代的な(それに差別的でない)映画『プリンセスと魔法のキス』にまつわるものに改修される。発表によると、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングで働くイマジニアたちは、昨年から改修について計画していたという。
新しいアトラクションはニューオーリンズを舞台に、2009年に公開された『プリンセスと魔法のキス』に登場するプリンセス・ティアナ、ルイス、ママ・オーディといったキャラクターが、『マルディグラ』(リオのカーニバルなどと並ぶ世界で有名なカーニバルの一つ)のパフォーマンスの準備をするという場面を取り入れる予定。
アトラクションのテーマ変更を何年も求めてきたファンたちは、「スプラッシュマウンテンの起源には問題がある」として、オンラインの請願書まで設けている。
アトラクションの完成予定についてはまだ発表されておらず、ディズニーランドが再開された時にもとのスプラッシュマウンテンが利用できるのかについても明らかではない。現在、コンセプト画のみ公開されており、ディズニー初の黒人プリンセスであるプリンセス・ティアナが、キラキラ光るホタルに囲まれているというものだ。
プリンセス・ティアナの声優を務めたアニカ・ノニ・ローズ(Anika Noni Rose)は、「ディズニーランドとマジック・キングダムの両方で、プリンセス・ティアナのアトラクションが実現するなんて、本当に楽しみ。この作品で私も一生懸命取り組みましたが、ファンの皆さんは嬉しくてたまらないはず」と話している。
映画『南部の唄』は、ディズニーのヒット曲『ジッパ・ディー・ドゥー・ダー』を世に送り出したが、歌詞の大部分は物議を醸す内容で、人種差別的ととらえられている。
実写とアニメーションからなる同作品は、米国南部の奥地にあるリコンストラクション(再建)時代のプランテーション(大農園)が舞台。白人の少年ジョニーと黒人のリーマスおじさんの心のふれあいを描いたフィクションで、風刺絵ともとれるタール・ベイビーといったキャラクターが登場する。
『南部の唄』が1946年にリリースされてから数十年がたつが、DVD化やオンライン配信はされておらず、ディズニー・パークスに残されたこの映画の面影は、スプラッシュ・マウンテンとアカデミー賞受賞曲『ジッパ・ディー・ドゥー・ダー』だけなのだ。
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