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日本と刺青の結びつきは深くもあり、複雑だ。さかのぼればそのルーツは縄文時代(紀元前14,000~300年)の先住民族にまで至り、タトゥーは日本の古代文化の一つとも言えるだろう。しかしその歴史を閉ざすかのように、明治時代には刺青禁止令が敷かれたり、ヤクザとの結びつきなどから今でもタトゥーがタブー視されている。
いくつもの壁を乗り越えなくてはならなかった日本のタトゥー業界だが、2001年の「タトゥーを施術するには医療免許が必要」という厚生労働省の判断には、疑問の声も上がっていた。ジャパンタイムズは、医師免許を持たずにタトゥーを施したとして医師法違反の罪に問われていた彫り師について、最高裁判所が無罪を確定したと報道している。
大阪府の彫り師、増田太輝は2017年に医師免許を持たずに3人の客にタトゥーを入れたとして、15万円の罰金を科せられていた。「タトゥーは医療行為ではない」ことを明確にし、厚生労働省の制限を覆す今回の判決は歴史的な快挙と言えるだろう。
裁判長は、日本におけるタトゥーの文化や歴史にも触れたうえで「タトゥー施術は美術的なものであり、医療ではない」と判断。このニュースが、日本で彫り師を目指す多くのアーティストに希望を与えるだけでなく、社会的な視線を変えるきっかけとなることにも期待したい。
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