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カリブ海フランス領生まれのカレー、コロンボ専門店が新宿にオープン

東京コロンボのメニューは1品のみ、味変用卓上スパイスで多彩な味わいに

テキスト:
Genya Aoki
東京コロンボ
Photo: Yuki Nakamura
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「コロンボをカレーとして出しているのは、おそらく日本でここだけ。現地では誰もカレーとは認識していない概念カレーなんです」。店主の金諒一はそう語った。

2020年9月20日、新宿ゴールデン街入り口に、カリブ海の郷土カレーである「コロンボ」のみを提供する間借りカレー専門店、東京コロンボがオープンした。「コロンボ」とは、豚肉と野菜をスパイスで煮込んだカリブ海、フランス領アンティル諸島の郷土料理。フランス人と、連れてこられたインド系の人々、現地人の文化が豊富なスパイスとともに一皿に溶け合っているミクスチャーフードだ。

東京コロンボ
店舗内観、カウンター内が店主の金諒一(Photo: Yuki Nakamura)


この料理名はセイロン(現在のスリランカ)の都市、コロンボから由来したもので、インド料理に使われる数種類のスパイスを混合したカレー粉のようなものが、セイロンからの貿易商人によってアンティル諸島にもたらされたのが始まりといわれている(諸説あり)。1860年代から急増したインドからの移民の影響もあり、今ではアンティル諸島を代表する料理の一つである。

同店の店主、金諒一は無類のカレー好きで、アイリッシュバーなどさまざまな飲食店のシェフとして活躍する中、独自のカレーレシピを開発してはメニューとして提供してきた。そんな中で、西麻布にあるラムバー、タフィアで提供する「コロンボ」に出合い、これだと思い独立。

東京コロンボ
Photo: Yuki Nakamura


金が作るコロンボは、スパイスや調理法に至るまで完全オリジナル。豚肉は柔らかさを出すため、2日塩漬けした後ゆでて、豚の脂で焼き、自家製ガラムマサラなどのスパイスなどと一緒に煮込む。これはインド料理にはない独自の工程だ。

ソースは、現地のものと比べ水気を足し、サラサラなスープカレーのような食味にしている。また、小麦粉を一切使わず野菜を溶かしてとろみをつけているので、スパイスの中に甘みと酸味を感じる複雑な味わいが楽しめる。 

卓上にある四つのスパイスで好みの味付けに変更可能なのも同店の魅力の一つ。「デュカ」というエジブトやアラブで食されているスパイスふりかけなどユニークなものが並ぶ。どの「味変」も新鮮で一皿では物足りなくなってしまうだろう。

東京コロンボ
Photo: Yuki nakamura


ゴールデン街という土地柄に特殊さを感じる人もいるが、近隣のサラリーマンやカレーファンがSNSを頼りに来訪することが多いという。みやはらたかおがデザインしたちょっと癖のある黒猫のイラストを目印に足を運んでみてほしい。テイクアウトやUber Eatsでも購入可能だ。

東京コロンボの詳細情報はこちら

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