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おんぼろから最先端に、ラガーディア空港ターミナルBがリニューアル

Shaye Weaver
テキスト:
Shaye Weaver
Editor, Time Out New York
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ニューヨークにあるラガーディア空港のターミナルBが、40億ドル(約4,400億円)の莫大な改修費をかけ、最先端の設備、デザインを施した空港へ生まれ変わった。いよいよ2020年6月13日(土)から、一般客の利用がスタートする。かつて、出発でも到着でもラガーディアの利用は必要悪と考えられていた。天井は低く、カーペットや設備もぼろぼろ。長居したいと思う場所ではなかった。

6月10日、ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモは、光沢のある4階建ての広大な新ターミナルを公開した。今回のリニューアルは計画の80%分で、残りの20%分となる西側コンコースの工事はまだ残されている(17のゲートのうち、7つは今年中にオープン予定)。

新しいターミナル空間には、何があるだろうか? まず、到着と出発ホール。4階まで吹き抜けで約18メートルあり、自然の光がたくさん入る。

出発ホール(レベル3)

エアカナダ、アメリカン航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空のチェックインが可能。四つのセクションに分かれていて、全体で75台のカウンターと105台のセルフサービス式キオスクが設置されている。旅行者同士が社会的距離を取れるように空間の取り方も十分だ。またTSA(アメリカ運輸保安局)のセキュリティーチェックポイントは最新式で、靴を履くための広々としたエリアも用意されている。

LaGuardia Terminal B, Location: Queens, New York, LaGuardia Gate
Photograph: Courtesy Jeff Goldberg

セキュリティーチェックポイントは、レーンが16本あり、新しい検査装置、待ち時間を表示するディスプレー、IDやパスポートをスキャンする新しい台などが配置されている。スマート・パッド・システム(Smart PAD System)と呼ばれる機内持ち込み荷物を検査するためのベルトコンベヤーは、自動的にRFIDタグが付いたトレイをベルトに並べてくれる。このシステムは脅威レベルに沿って荷物を自動分類することも可能。また、自動で戻ってきたトレイをカメラで撮影しているので、忘れ物や不審物が残された場合の追跡もできる。

 

到着ホール(レベル2)

9台の荷物回転台と2本の大きな荷物用のベルトコンベヤーがある。タクシーへの乗車や自家用車でのピックアップもこのフロアで可能。駐車場へも向かうのもここからだ。

LaGuardia Terminal B, Location: Queens, New York, LaGuardia Gate
Photograph: Courtesy Jeff Goldberg

ショップ、レストラン、サービス(レベル4)

21店あるターミナル内のショップやレストランの大半が、全ての出発客と到着客が通るこのフロアにある。ラインナップは、座ってゆっくりできるレストラン、フードコート、テイクアウトショップ、活気あるバーなど。近々開始されるアット・ユア・ゲート(At Your Gate)サービスを使うと、空港内のレストランからゲートまでのデリバリーを注文できるようになる。

店頭デザインに反映されているのは、ソーホーから5番街まで各地区にあるニューヨークのユニークな建築物。また、ニューヨークをテーマにした写真もターミナル中で見ることができる。このフロアには、ラウンジエリアと新しい東側コンコースの搭乗口に通じる歩道橋も造られた。この歩道橋は、工事中も空港を稼働させるため、元々のターミナルの上に建設されたものだ。

LaGuardia Terminal B, Location: Queens, New York, LaGuardia Gate
Photograph: Courtesy Jeff Goldberg

ウエルカムセンター、相乗り専用レーン(レベル1)

ウエルカムセンターと、MTAバス、空港バス、ホテルシャトルなどの乗り場がある、

共有施設や装置

ターミナルには、非接触式に対応した17カ所のトイレを始め、授乳室、ペット休憩所、300台以上の手指消毒剤と除菌シートステーションがある。また、チケットカウンターや店鋪向けのアクリル製フェイスシールド、手すりを除菌するUVライト、高温の人を感知する体温測定カメラも導入される。

パブリックアート

ターミナル内では、イェッペ・ハイン、サビーヌ・ホーニグ、ローラ・オーエンズ、サラ・ジーといった著名アーティストの作品も見ることができる。各作品はこのターミナルのために制作されたコミッションワークで、キュレーションはパブリック・アート・ファンド(Public Art Fund)が行った。

イェッペ・ハイン(Jeppe Hein)『All Your Wishes』

LaGuardia Airport, Terminal B, Public Art Fund, Jeppe Hein, Sabine Hornig, Laura Owens, Sarah Sze
Photograph: Nicholas Knight, courtesy the artist, LaGuardia Gateway Partners, Public Art Fund, NY, 303 Gallery, NY, König Galerie, Berlin and Galleri Nicolai Wallner, Copenhagen

サビーヌ・ホーニグ(Sabine Hornig)『La Guardia Vistas』

LaGuardia Airport, Terminal B, Public Art Fund, Jeppe Hein, Sabine Hornig, Laura Owens, Sarah Sze
Photograph: Photo: Nicholas Knight, courtesy the artist, LaGuardia Gateway Partners, Public Art Fund and NY, Tanya Bonakdar Gallery, New York/Los Angeles, ©Sabine Hornig and VG Bild-Kunst, Bonn Germany

 ローラ・オーエンズ(Laura Owens)『 I [Pizza] New York 

LaGuardia Airport, Terminal B, Public Art Fund, Jeppe Hein, Sabine Hornig, Laura Owens, Sarah Sze
Photograph: Tom Powel Imaging, courtesy the artist, Gavin Brown’s Enterprise, New York/Rome, Sadie Coles HQ, London and Galerie Gisela Capitan, Cologne

 サラ・ジー(Sarah Sze)『Shorter than the Day』

LaGuardia Airport, Terminal B, Public Art Fund, Jeppe Hein, Sabine Hornig, Laura Owens, Sarah Sze
Photograph: Nicholas Knight, courtesy the artist, LaGuardia Gateway Partners and Public Art Fund, NY, © Sarah Sze

6月10日、クオモは「私たちはトンネルの終わりの光、今後の可能性、そして、ニューヨークが立ち上がり輝くこと見る必要があった」と述べ、新しいターミナルは困難な時期を乗り越えようとしているニューヨークの希望であり、ニューヨークとその人々の素晴らしさを思い出す場所になるだろう強調した。

原文はこちら

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