アムステルダムで危険なカクテルを味わう
ハイディング・プレーン・サイト『ウォーキングデッド』
ヨデンブールト北東部の外れにあるバー『ハイディング・プレーン・サイト』は、その名の通り隠れ家のようだ。店に入ってみるかぎり、スタッフの笑顔以外には何もなさそうに見える。しかし、座り心地のよい怪しい革張りのカウチに腰掛けてみると、バーの上には化学式がびっしり書かれた黒板が見え、壮麗な壁紙のきらめきが本棚やアンティークラジオ、昆虫標本、懐中時計といった飾りを引き立てているのが分かるだろう。着飾ったスタッフは水、たくさんのチェリノーラ・オリーブとミックスナッツ、美しい活版印刷のメニューを携えてやってくる。在庫が豊富に見えるバーは、少量の素晴らしいワインのリストとオランダの瓶ビール、スウィンクルズ(5€)を除けば、16種類の自家製カクテル(8~16€)がメニューの全てだ。16€の値がつくのは、この店の特別な1杯『ウォーキング・デッド』。クラシックなカクテル『ゾンビ』を元にしているが、その隠し味はバカルディ151を含む3種類のラムだ。添えられたシナモンに火が灯されてパチパチと音をたてるキテレツな1杯は、大酒飲みには物足りないかもしれない。だが、イチゴを漬けたカシャッサ(12€)やポップコーンを浸したラム(8€)といった他のカクテルもある。この店の熱い雰囲気に飲まれて、新鮮で泡立ったものが欲しくなったら『HPSミュール』を頼もう。アジアに影響を受けた、ウォッカとジンジャービールに、オレンジとライムジュース、自家製シロップと潰したキュウリが入る夏の味だ。この隠れたバーでいつでも夏らしい味が楽しめることは、知っておいて損はない。
ーエリーシャ・ブレンナー(タイムアウト・アムステルダム)
ハイディング・プレーン・サイト(Hiding in Plain Sight)
住所:HPS Rapenburg 18, Amsterdam, the Netherlands
電話:+31 20 737 1890
ウェブ:www.hpsamsterdam.com