国分寺市の静かな住宅街にある、小さな文具店。角地に建つ白い店舗は、黄色の花を咲かせるモッコウバラに覆われ、傍らの赤い郵便ポストと「つ」マークが入った青い旗とのコントラストが目を引く。店主を務めるのは、デザインディレクターの萩原修。1960年代から90年代まで、中学校近くの文具店として営まれた母の店を継ぎ、2004年にリニューアルオープンした。
商品の中心は、12種類のオリジナル文具。ノート、鉛筆、メモ帳、ステンレス製定規など、そのどれもが使い手の立場から生まれたシンプルな機能美を備えている。2012年には「ちいさなデザイン教室」という試みを始め、その生徒が日直制で毎日の店番を務めているのも面白い。地域との繋がりを大切に、様々なワークショップや展覧会も開催しており、地域に開かれた「実験の場」として、ただ文具を販売するだけでなく、その可能性を追求している。