小売店としては珍しく、雑居ビルの屋上に店を構える「ソフツ(Softs)」は、オーナーである我妻亮のこだわりが、文字通り詰め込まれたライフスタイルショップ。店内には隙間なく商品が陳列され、レジ裏にはCDやカセットテープが積み上げられている。取り扱いアイテムのテイストは幅広く、珍しい別注品やインポートブランドの並行輸入品など、どれもあえてトレンドを外した他店とは被らない商品ばかりだ。
「今年はダウンジャケットが着たい。しかし、暖冬の東京では暑過ぎるので、半袖を作りました。そうした、その時々の気分をどうしたらファッションに落とし込めるか考えるのが好きなんです」と我妻は語る。
中でもアーティストのヌケメとコラボレーションした、特注ボディーを使用したパーカーは必見だ。コンピューターミシン用の刺しゅうデータを意図的に破損させた状態で出力される、グリッチ刺しゅうが施されている。
このほか、両袖色違いで、片側のみレザーに切り替えられたプルオーバーの「スクーカム」スタジアムジャンパーなど、ここにしかない商品がめじろ押し。これぞ個人経営店の醍醐味(だいごみ)である。この唯一無二の企画と提案力に、洋服好きがハマってしまうのも無理はない。宝探しがてら来店したい。