日本三大電気街の一角であり、西日本のポップカルチャーの聖地でもある大阪・日本橋の「オタロード」沿いにある中古レコード店。セール盤の入ったダンボールが並ぶ店先には、「名盤、珍盤、掘り出し物が見つかる店」「御買得品大量品揃え」「音の宝庫」といったストレートなパンチラインが掲げられた電飾スタンド看板が立つ。ここでは、かつては誰もが当たり前に通っていたいわゆる「街のレコード屋さん」が体現されている。
「レコードショップナカ」は1990年ごろに1号店をオープンしたが、2011年に閉店。現在は1995年頃に始めた2号店のみ営業を続けている。品揃えはオールジャンルだが、ひと際目立つのは日本の歌謡曲、アイドルもの、演歌、ロック。客の持ち込みを買い取るスタイルが多いので、地元の音楽文化を商品構成から透かして見るのも楽しみの一つだろう。
店主は元々洋楽に精通していたが、店にいるうちに気が付けば「和モノディガー」に。その手腕の一端は、ブログというオールドスクールな形式で遺憾なく発揮されているので、要チェックだ。
カルチャーという横文字が作る取っ付きにくさやその筋の店が醸す独特の緊張感……。それらは、レコードリバイバルが叫ばれる昨今でも、気軽にアナログ盤に親しみたい人の前に高く立ちはだかっている。だからこそ、「レコードショップ ナカ2号店」に出合えた喜びは大きい。