今はスマートフォン一つで世界中の音楽が聴ける時代だが、「サブスク」の外に広がる音楽の世界はもっと広大で奥が深い。ワールドミュージックという沼、その入り口にして沼底のようなレコードショップが、心斎橋のアメリカ村にある「プランテーション(Plantation)」だ。
店内には、インドネシアをはじめ、タイ、ベトナムなどのアジア圏からブラジルまで、世界中のレコードやカセットテープが並ぶ。店主はワールドミュージックが一つのジャンルとして定着する前から世界各地へ足を運び、現地で買い付けを行ってきた。独自かつ確かなセンスによってセレクトされた「音盤」の中には、国内では同店でしか入手できないものも多い。
近年特に注目しているのは「多くの音楽家が、以前からそのオリジナリティーに注目してきた」というミャンマー音楽だ。また、インドネシアの伝説的シンガーソングライター、ハリー・ルスリの名作「ティティック・アピ(発火点)」がCD化された際には、邦訳歌詞と解説を付けて同店がディストリビューションした。
付け焼き刃的な検索だけではたどり着けない、ヒップなアジアンポップスやワールドミュージックの世界。まずはこの店を訪れ、耳から旅をしてみるのはどうだろうか。