新富町駅から程近い銀座一丁目に、2015年5月にオープンした「一冊の本を売る書店」。2006年より茅場町で森岡書店を営んできた店主の森岡督行と、スマイルズの遠山正道の出会いから生まれた同店は、著者と読者を結ぶ場として、会期ごとに一冊の本を取り上げ、その本をめぐる展覧会を行う。一冊の本の世界観に満たされた一室に身を置けば、まるでその本の中へと足を踏み入れたような感覚を覚えるだろう。入居する鈴木ビルは、かつて名取洋之助主宰の編集プロダクション『日本工房』が事務所を構え、対外宣伝誌『NIPPON』などを作っていた、1929年(昭和4年)竣工のレトロビル。本と近代建築をこよなく愛する店主がここに呼ばれたのも、運命の導きかもしれない。
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