代田橋は沖縄タウン以外にはこれといって名物のない場所である。いや、そう思っていた。キモノ葉月に行けば、今まで持っていたイメージは完全に覆るだろう。駅に降り立ち、戦後の闇市から続くであろう小さな店がひしめく商店街を抜け、歩道橋で大通りを超える。道なりに少し進んで1本なかに入ればすぐに店に到着だ(手前にある梵寿綱建築を目印にするといいだろう)。
昔市場だった建物に入居する同店。店内には当時を思わせる看板がまだ残っている。オーナーの申し分ない審美眼によって集められた、カラフルなヴィンテージ(または中古)の着物は、非常に良心的な価格で売られている。たとえば現代のリサイクル着物は1万円以下が多く、大正、昭和初期のアンティーク着物も2〜5万円、現代の羽織は5,000円~8,000円、アンティークでも1〜3万円で買うことができる。
レジの裏にある、アンティーク着物を扱う畳の部屋に入ると、次から次へと目移りしてしまい、まるで宝物のつまった箪笥を漁っているような気分になるだろう。もし夏用のジャケットを探しているなら、店舗外の1,000円の羽織のコーナーをぜひ勧めたい。パステルカラーが多いほかの着物屋とは異なり、ビビッドな色合いや、大胆なデザインのものが目立つ。女性ものが多いが、袴や男物の着物ももちろんある。心移りしてしまって選べないという人は、着物も帯もスタッフにコーディネートしてもらおう。
同店のInstagramはコンスタントに更新されるので、こちらもぜひチェックしたい。
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