「TOTOギャラリー・間」で、「吉村靖孝展 マンガアーキテクチャ――建築家の不在」展が開催。建築家・吉村靖孝の7つのプロジェクトを異なる漫画家が7つのストーリーとして描き下ろすことにより、建築の新たな解釈の可能性を探る。
吉村は、建築が人々のふるまいなどの自発的な動きと、社会制度や状況など多様な社会的条件との架け橋になれるよう、両者のさまざまな関係構築を試みてきた。
例えば、既成のテント倉庫で木造建築を覆うことで、大きな一つの空間の下で子どもがのびのびと過ごせる子育て支援施設を実現した『フクマスベース』(2016年)や、動物とともに幸せな人生を送れるアニマル・ウェルフェア社会を構想した『滝ヶ原チキンビレジ』(2021年)などで、新しい住まいや暮らしの在り方を模索している。
吉村が探究する、これらの現代社会における建築の拡張性をさらに進めるために、仮に建築家個人の作家性を「不在」にすると何が起きるのか。吉村自身が自らの作品を題材に、本展を通して問いかける。
漫画が建築と出合い、建築家の手を離れた先に描かれるものとは何か。2つのコラボレーションによって生まれるものを、発見してほしい。
※11〜18時/休館日は日曜・祝日(2月23日は開館)/入場は無料