戦後日本を代表する建築家、丹下健三の没後10年の節目に開催する展覧会。処女作『広島平和会館原爆記念陳列館』のプロジェクト開始から、初期代表作のひとつ『香川県庁舎』完成までの10年間に焦点を当て、丹下自らが撮影した35mmフィルムのコンタクトシートを通して紹介する。自らカメラを携えて撮影を行い膨大な数の写真を遺した丹下は、自身の作品のみならず、桂離宮や龍安寺をはじめとする伝統建築、ル・コルビュジエ作品、外遊中に交流した海外の建築家たちなども多く撮影した。現物としては、本展が初公開となる70余点に及ぶコンタクトシートには、丹下自身によるトリミング指示の赤線が引かれ、若き丹下がどのように建築と対峙したのか、建築家の思索と葛藤の痕跡を生々しく伝えると同時に、時代の活動の克明な証言集ともなっている。丹下の10回忌となる2015年3月22日(日)には記念シンポジウムも開催予定。
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